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反出生主義と優生思想

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生まれないのが一番幸せ~反出生主義や虚無的、厭世的な名言集」という記事などにも書いてきたが、反出生主義とは、人間は生まれると、老いたり、病気になったり、面倒なことをしなければならなかったり、嫌いな人と顔を合わせなければならなかったり、愛する者と別れなければならなかったり……とつらいことが多く、その挙げ句最終的に待っているのは死――ということで、「生まれないに越したことはない」という考え方である。

その反出生主義とはまた別に、優生思想というものがある。これは人類をよりよく進化させるために、「優れている者が子孫を残すべき」――裏返すと、「優れている者しか子孫を残すべきでない」という思想である。

反出生主義からしてみれば、優れていようがいまいが誰も子孫を残さないほうがいい、とにかく人間は生まれないほうがいい、そしてゆるやかに滅亡していったほうがいい――となるので、反出生主義と優生思想とは全く違うものであるのだが、私はこの優生思想というのも少し分かる(優生思想は結構危険な思想なので、あまり軽々しく分かる、とはいえない。あくまでも少し)。
子供が一生生きていくのに困らない資産や、必要な時に思ったように資産を生み出せる才能を受け継がせることができる人ならば、子供を生んでもいい気がする。

資産や才能があろうがなかろうが、最終的に最も恐ろしいイベント(?)である「」が待っていることには変わりないけれど、資産があればあるほど、それに最大限抵抗することができる。

また、現代では多くの人が人生の大部分の時間を労働に費やすが、資産がたくさんあれば働かなくても済む。
働きたいなら働いてもいいけれど、働きたくなければ働かなくても構わない」、こういった選択ができるのとできないのとでは大違いである。というか、「働かなくては食べていけないので働かなくてはいけない」が当たり前というのがちょっと異様な気がする。

たまに本や映画に出てくるのだが、昔は貧乏な家の女の子は遊郭に売られたり、男の子は丁稚奉公に出されたりしていたのだという。現代から見るとひどくかわいそうなことに思えるけれど、当時としては結構よくある話だったのかもしれない。
それと同じように、未来からしたら現代は、「働くことが決まっているのに生まれるなんて……かわいそう」という風になるのかもしれない。もし不老不死が当たり前の世の中になったら、「死ぬことが分かっているのに生むなんて……昔の人って残酷すぎない……?」という風になるのかもしれない。

資産があれば必ずしも幸せという訳ではないけれど、苦痛を避けられる可能性が上がる。
この状態になってようやく人生においての快楽と苦痛の割合がトントン位になる気がする(いや、結局死ぬのでやはりマイナスかも……)。

「子供を生むことにより自分の死が怖くなくなる」という意見もあるようだが、「子供を生むこと=死の恐怖を不幸の手紙のように子供に押し付けて自分は気が楽になる」みたいな感じがして、私はこの意見にはちょっと首を傾げてしまう。こういった連鎖は誰かが勇気を出して断ち切ったほうがいいのではないだろうか。

私は死というものをあまりにも重く受け止めすぎているのかもしれない。
労働に関しても、搾取だとか人権だとか、すぐそういう風に大げさに考えるクセがある。

しかしだからこそ、私が子供を生んだら、こういう風に考えるクセが遺伝する可能性が大いにある訳で、そうすると子供もやはり生きづらいだろうから、やはり私は子供を生まないほうがいいという結論になる(資産もありませんしね……)。

ところで以前、ある政治家の家には、大企業の株の配当で年に何億円ものお金が何もせずに転がりこんでくるという話を知って驚いた。世の中に金持ちがいることはなんとなく分かってはいたけれど、ここまでケタ違いなのかと知って大変なショックを受けたものである(更に世界にはもっとケタ違いの金持ちがいることにも……)。

しかし何もせずに暮らしていけるにもかかわらず、そういう人たちはちゃんと勉強したり仕事をしたりしていて偉いと思う。私なら確実に遊び呆けて暮らす自信がある。
金持ちには金持ちなりに、見栄だとか体面だとかを考慮しなければならない苦労があるのかもしれない。それと命を狙われたりという危険なども。庶民なので知ったこっちゃないけれど。

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