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支払督促こぼれ話

申立書などを郵送して1週間ほど後、「支払督促発付通知」という書類が届きました。 とりあえず申立書はうまいこと受理されて、債務者宛に支払督促を送ったよというお知らせです。
で、ちゃんと相手に届くんかね、とドキドキ待っていた所、5日ほどして、「送達結果のご連絡」というハガキが来ました (ここで郵送した官製はがきが使われるのですね)。
で結果、「宛所尋ね当たらず」……。
アテドコロタズネアタラズ……何だかよくわかりませんが、とにかく相手にはキチント届かなかったらしい。 裁判所に電話して 「これどういう意味ですか」と訊いてみた所、郵便局員が配達するので詳しくはわからないが、とにかく そこには誰も居なかったようだ、とのお答え。
これはT・Yが引っ越してしまったということなのか……とにかく、期限までに相手の居所を調査して、「再送達上申書」という ものを作成すれば、改めて支払督促を債務者に送付するとの由。

しかしコリャアどうしたもんかネ、とテンデ見当がつかなかったので、思い切って最寄の警察署に相談に行きました。すると、 「お客でなく店がダマされることもあるんだねー」と珍しがられ、同情されはしたものの、相手の引っ越し先を調べるとかそういった探偵じみたマネは警察では出来ない、とのお答え。
まァやっぱりそうだろうなァと席を立とうとした所、「世の中いい人ばっかりじゃあないんだから、後払いはやめた方がいいよ」 とのアドバイスを頂きました。ハハハハなんつって、顔で笑って心で泣いてとは正にこのことです。
でそれからイベントシーズンに突入してしまい、どうしようと思いつつ製本やら何やらにかまけてこの件はズルズルと先延ばしに。 もう諦めようか、と思ったこともあったのですが、12月になって漸く時間ができ、期限はもう間近、でもやっぱりやれるだけのことは やっとこうってんで、12月7日、とうとう自分でT・Yの住所を訪ねてみることにしました。

神奈川県からなのでそこそこ時間も食いますし、電車代を考えるに、経費的にはそのまま諦めた方がまだマシな訳ですが、もう何だかお金の問題でなく意地なのですね。
でまァO駅に着きまして、住宅街をウロウロ右往左往、小一時間迷った挙句に漸っと見つけた、それは、×××荘というアパート…… しばし見上げて、ボウッとしてしまいました。私が住む家も相当年代もののボロ借家ですが、それとどっこい、否、もしかしたら それを上回るかも知れぬという程のおんぼろ木造アパートがそこにはありました。両隣は豪邸と言ってもいい程の大きな家、それらに挟まれて、その間口の狭い、奥にひょろ長い形の敷地だけが、つげ義春チックなムードをムンムンと醸し出しているのでした。
T・Yが住んでいただろう部屋はやはり今では空き部屋になっているようでした。ドアノブに「はじめて電気を使う前に」という説明書がぶら下がってい、埃を被っていました。帰り際、外からよくよく見れば、窓ガラスのひび割れがガムテープで補修してあるのが目につきました。チョット、いや、大分切ない気持になりました。
それまではT・Yのことを、ただ「憎たらしい小悪党」くらいにか思っていなかったのですが、そのアパートを見てからは、 「ま、人生、いろいろあるわなァ」というシミジミとした心持にさせられました。×××荘の素敵に侘しいたたずまいは、見る者を思わずおセンチな気分にする程にパンチがきいているのです。

その後、×××荘に関係している不動産会社がわかったので、ダメもとで電話をかけて担当者さんに事情を説明した所、 意外にも「もしT・Yの居所がわかったら連絡する」とのお言葉を頂き、現在待っている状態です。が、 さほど期待してはいません。恐らくこのまま、再送達上申書提出の期限が訪れてこの件はオシマイになるでしょう。
ここまでやったのだから、どうせだからついでに強制執行のやり方なんかも知りたかったという思いもないではないですが、とりあえず、現時点でやれるだけのことはやったので、今はスッキリしたコンコロモチです。
まァ、もしここを見ていたら、T・Yさん、出世払いを気長に待ってますのでよろしくです。

で、後払いというのはこういうことがあるので、やっぱりやめた方がいいんかなァと一時悩んだのですが、 お客さんにしてみたら後払いの方が安心なのではないか、また、こっちとしても先にモノを送らせて頂いた方が 気が楽、というのがあるのです(先払いにしたとして、 注文してくれた方がお金を振り込んで後、もし自分が病気になって倒れてしまったら商品が発送できないではないか、 そしたら詐欺で訴えられるのではないか、云々、などと考えてしまう小心者です)。
という訳で、もうしばらく今まで通りのやり方で続けてみようと思います。
警察の方は「世の中いい人ばっかりじゃあない」と言っていました。警察官の口から出るとそれはそこはかとなし説得力のある言葉でしたが、まァでも、私は世の中いい人の方が多いと思っています。というか、そう思いたいです。
その内もし、「そうでもないな」と思う時が来たら、後払いをやめて先払いシステムにするか、代金引換だけにするか、はたまたネット販売自体をやめてしまうかとか、考えようと思います。
そして今度のようなことがあって、今までキチントして下さっていたお客様への感謝の念がますます強まりました。本当にありがとうございます。うらなか書房は、もう少し頑張ってみようと思います。

※追記
2008年4月、再度の未払い発生のため、支払方法を代金引換のみとすることにしました……。口惜しいですが、世の中にはやっぱり、少数ですが、確実に小悪党が居るということを学びました。

※更に追記
二度目の方から、大幅に期限を過ぎてからですがお支払がありました。
こういうこともあるんですね……。
でもやっぱり後払いシステムは気疲れするのでもうやらないと思います。



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