来年あたり引っ越しをすることになりそう――ということで、ここ最近本やDVDの整理を行っています。
駿河屋や他のネット宅配買取を利用することにより、処分したいものの大半は処分できたのですが、見積もり価格に納得がいかないものが数点あったので、それらについてはAmazonに出品してみることにしました。
この記事では、私がAmazonに出品登録をした時の流れや、分かりづらかった所などをまとめてみようと思います。
継続して業務として古本などをAmazonに出品するのではなく、私と同じように家にある本やDVDをAmazonで販売してみようかな……と考えている方のご参考になりましたら幸いです。
目次
小口出品と大口出品
Amazonに中古本などを出品するには、小口出品と大口出品という2種類の方法があります。
小口出品と大口出品の違い
小口出品 | 大口出品 | |
---|---|---|
月額登録料 | 0円 | 4900円+税 |
基本成約手数料 | 1点につき100円+税 | 0円 |
住所やTEL | 非表示にできる | 非表示にできない |
Amazonに 登録されていない商品 | 変更 出品できる ※ | 出品できる |
※ 2023年11月に出品した所、できるようになっていました。
基本成約手数料とは、商品が売れるごとに引かれる手数料です。
月に50個以上の商品を売る場合は大口出品の方がお得です。
私は月に何十個も販売するつもりはなく、また個人情報を非表示にしたかったこともあって、小口出品を選びました。
小口出品と大口出品で同様にかかる手数料
販売手数料 | 本・CD・DVDは販売価格の15%+税 ⇒詳しくはこちら |
---|---|
カテゴリー成約料 |
⇒詳しくはこちら |
FBAと自己発送
通常であれば、小口出品でも大口出品でも、注文があった場合商品を自分でお客様宛てに発送することになるのですが、FBA(フルフィルメント by Amazon)というサービスを利用すると、Amazonが発送業務を肩代わりしてくれます。
はじめにAmazonにまとめて商品を送れば、その後注文が入った場合、商品はAmazonから発送されます。
以前このサイトで、カートで注文を受けて商品を発送する……ということを行っていたのですが、梱包+発送がかなり大変だったので、この作業を人任せにできるのは大変ありがたいです。
上の販売手数料などとはまた別にFBAの手数料やAmazonへの郵送代がかかりますが、自己発送の場合はお客様への送料が自己負担になる+注文のたびごとに梱包などの手間がかかるので、一長一短といった感じです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
FBA |
| FBAの手数料やAmazonへの郵送代がかかる |
自己発送 | 送料を安く抑えることができればFBAより利益が増える |
|
プライムマークについて
Amazonマーケットプレイスのページで、自己発送の店舗の場合は価格の下にその店舗が設定した送料が表示されるのですが、FBAを利用している店舗の場合はプライムマークがつきます。
同じページの配送欄。「AMAZON.CO.JP 配送センターより発送されます」と表示されます。これは購入者の方からすると安心度が高まるのではないでしょうか。
自己発送の店舗ではできない「お届け日時指定便」を購入者の方が利用できるのもFBAの強みかもしれません。
FBAを利用した場合の利益を知る方法
上記のページで販売したい商品を検索し、「FBA発送の場合」の商品代金を入力し、下の方にある「計算」をクリックすると、その商品をFBAを利用して販売した場合の利益が出てきます。
大体ですが、書籍で1500円、DVDなどの場合は2000円以上の値段がつかなければ、かなりの薄利 or マイナスになる可能性が高い気がします(大きさなどによって手数料が変わるので一概にはいえませんが……)。
- 小口出品の「基本成約手数料」はこのシミュレーターの手数料には含まれていないので、利益から更に100円+税を引いて考える必要があります。
- 「FBA(Amazonから出荷)手数料」には「月額保管手数料」というものが含まれています。これはひと月ごとに加算されるものなので、なかなか売れない商品の場合は利益が減っていきます。「月額保管手数料」は、FBA料金シミュレーターの「FBA(Amazonから出荷)手数料」の数字をクリックすると確認できます。
半年売れないと更に「長期在庫保管手数料」がかかります(6~12か月売れていない商品の場合は10センチ×10センチ×10センチで87.4285円⇒詳しくはFBA長期在庫保管手数料)。
小口出品の登録の仕方
小口出品の登録は、以下の手順で行います。
- Amazonで売りたい商品を検索する
- 商品ページの右下にある「マーケットプレイスに出品する」をクリックする
- 販売価格などを入力する(下記で詳しく説明します)
- 「保存して終了」のボタンをクリックする
入力する項目について
出品者SKU
管理がしやすいように日付などの任意の番号を入力することができます。
入力しなかった場合は、Amazonが自動的に番号を作成してくれます。
私は何も入力しませんでしたが、今の所それで特に困ったことはないです。
販売価格
入力ページの右上の方に「中古品」と書いてあります。ここをクリックすると他の店舗の価格が一覧で出てくるので、その価格や状態などを参考にして価格をつけるといいのではないかと思います。
FBAの場合は送料を含めた値段になります(Amazonの送料に準ずるので、DVDなどで2000円未満の商品には送料がかかります。が、その送料は出品者ではなくAmazonに支払われます)。
コンディション
「中古 – ほぼ新品」「中古 – 非常に良い」「中古 – 良い」「中古 – 可」から選択します。
コレクター商品として出品するには、サイン入り、絶版などの付加価値が必要とのことです。
販売しようとしている商品のコンディションがいずれに該当するかは下記のページを参考にしてください。
ちなみに、この「コンディション」を選択すると、商品画像をアップロードできるようになります。
既に画像が掲載されている商品が多いですが、古書などの場合は商品画像がないページもあるので、必要であれば画像をアップロードしてください。
コンディション説明
入力フォームの右上と右下にある「詳細表示」のボタンをクリックすると現れます。
これも他の店舗の書き方を参考にするといいでしょう。
書籍の場合は、発行年や版数、ヤケ・シミ・書き込みなどの有無についての説明が多いです。
DVDの場合は、品番や、付属品の有無、セル版かレンタル落ちかなどの説明が多いです。
フルフィルメントチャネル
FBAを利用する場合は、「フルフィルメントチャネル」の「FBA在庫」の方にチェックを入れます。
間違って大口出品で登録してしまったら
Amazonセラーセントラル(出品に関してのマイページのようなもの)にログインすると、右上に虫メガネのマークがあります。
これをクリックすると検索窓が現れますので、そこに「小口出品」と入力します。
すると以下の検索結果が表示されます。
この「小口出品に切り替える」というページに行き、「小口出品に切り替え」というボタンを押すとすぐに小口出品に切り替わります。
実は私自身がはじめに間違って大口出品で登録してしまったのでした……。
あとで確認した所、登録後即座に月額登録料がクレジットカードから引き落とされていました。しかし不幸中の幸いというべきか、私が登録した時はたまたま「大口出品月額登録料が初月10円」というキャンペーンが行われていたので、11円(10円+税)の引き落としで済みました。
そして登録後すぐに上で書いた検索バーからの方法により小口出品に切り替えたおかげか、その11円も近日中に返金されるようです(Amazonセラーセントラルにログインし、「レポート」⇒「ペイメント」を確認した所、11円が近日中に振り込まれるという記述がありました)。
しかし切り替えが遅くなった場合など、月額登録料が返ってこないという可能性も考えられますので(キャンペーン中ならともかく、正規の月額登録料である4900円+税が返ってこなかったらかなり痛い出費ですよね……)、小口出品登録の際には必ず「マーケットプレイスに出品する」から登録するようお気をつけください。
住所や電話番号を非表示にするには
大口出品の場合、出品者のプロフィールページに住所や電話番号が表示されるのですが、小口出品の場合はそれらを表示させないようにすることができます。
- Amazonセラーセントラルにログイン
- 右上にある「設定」⇒「出品用アカウント情報」をクリック
- 「出品者のプロフィール」をクリック
- 「私は、特定商取引法で定める販売業者に該当します。」の「いいえ」にチェックを入れます
「出品用アカウント情報」のページにある「表示名」というリンクをクリックすると、「カスタマーサービス詳細」という項目があります。
ここに電話番号を記入すると、上記で「いいえ」を選択していたとしても出品者のプロフィールページに電話番号が表示されてしまうのでご注意ください(「カスタマーサービス詳細」のメールアドレスは必須入力なのですが、「電話番号」は空欄のままで大丈夫です)。
商品を登録していく
Amazonセラーセントラルにログイン⇒「カタログ」⇒「商品登録」から商品を登録できます。
入力項目は「マーケットプレイスに出品する」の時と同じです。
ただもしかしたら入力後の画面が少し異なるかもしれません。
もしも上記のような画面に遷移したら、「危険物情報を追加」という項目をクリックします。
すると「この商品は電池を使用していますか」「危険物に該当しますか」という質問がポップアップで表示されるので、それぞれに回答して送信します。
その後はまた「保存して次に進む」をクリックします。
すると「この住所から納品」という画面に移行しますが、続けて登録したい商品がある場合は再び「カタログ」⇒「商品登録」を行います。
納品の準備
商品を綺麗にしておく
まずは商品を綺麗にしておきます。私は無水エタノールで商品を拭いておきました。
商品を包装する
それとアマゾンに納品をする際に商品ごとにラベルを貼る必要があります。そのラベルを商品に直に貼るとクレームの原因になるかもしれないので、OPP袋などで各商品を包装しておいた方がいいでしょう。
ヘイコー 透明 OPP袋 クリスタルパック A4 100枚 S-A4
本やDVDを入れてから、あまった部分は切るなり折るなりしてセロテープで裏側から止めるとピッタリして見た目も綺麗です。
セット商品などの包装
セット商品や少し大きめの書籍などは、私はストレッチフィルムを利用して包装しました。
山善(YAMAZEN) ハンディラップ ストレッチ フィルム くるット (幅10cm×150m巻) HW-150
プリンター
商品ラベルや配送ラベルというものを印刷する際に必要になります。
商品ラベル
FBAの場合、商品ごとのラベル貼りをAmazonに依頼することもできるのですが、その場合はまたラベル貼り用の手数料がかかります(商品1点につき20円。大型商品の場合は50円⇒詳しくはFBAラベル貼付サービスの手数料)。
私はこれもAmazonに依頼したかったのですが、バーコードのない商品はラベル貼りを依頼できないという制限がありました。そして私の出品したい商品の中にはいくつかバーコードのない商品がある……。そのいくつかをどうせ自分で貼る必要があるのなら、もういっそのこと全てやってしまおう――ということで結局自分で貼ることにしました。
私の場合自宅にマルチプリンターラベルシールがあったので新しくラベルを購入することはなかったのですが、FBA用のラベルシールというものが販売されているようです。
Exproud製 200枚入 しっかり貼れる!! A4ラベル用紙 33.9x66mm FBA適合 出品者向けFBAラベルシール[3列x8段 24面割付 200シート入(4,800片)]
配送ラベル
FBAパートナーキャリア・ヤマトオプションを使うと配送料がかなりお得になるので、これを利用するのがおすすめです。
FBAパートナーキャリア・ヤマトオプション用の送り状ラベルが必要なので、事前に取り寄せておきます。
上記ページにのっているメールアドレスから依頼できます。私は依頼した翌日に受け取りました。
注意としては、ラベルの枚数を「3枚」とした所、1袋50枚入りの袋が3袋届きました(!)。
いくらなんでも多すぎたので、後日集荷のついでに2袋は配達員の方に返しました。
枚数ではなくて「1袋」と書いた方がいいのかもしれません。
またFBAパートナーキャリア・ヤマトオプションを使う場合は、配送ラベルと送り状が一緒に印刷されるので、送り状を別に用意する必要はありません。この点も便利ですね。
ダンボール
Amazonに発送する際に商品を入れるダンボールを用意しておきます。
メジャー・体重計
納品手続きの際に、ダンボール箱のサイズや、大きさが不明な商品についてサイズの入力を求められることがあるので、メジャーがあると便利です。
また重量をきかれるので、体重計も用意しておくといいかと思います。
商品納品の手続き
商品を全て登録し、納品準備も終了したら、納品の手続きを開始します。
- Amazonセラーセントラルにログインし、「在庫」⇒「在庫管理」をクリックします。
- 登録した商品が一覧表示されています。「ステータス」という欄にチェックを入れると、全ての商品が選択された状態になります。
- 「選択中の○○(登録した商品数)商品を一括変更」をクリック⇒「在庫商品を納品/補充する」を選択します。
これにより納品プランが作成されます。
納品プラン
現在作成中の納品プランを見るには、メニュー(セラーセントラルの左上の三本線をクリック)→「在庫」→「納品」→「Amazonへ納品」をクリックします。
- SKUの詳細の左側のチェックボックスをクリックして、全商品を選択します。
- 「梱包のカテゴリー」というものを選びます。自分でプチプチなどで商品を包んでからAmazonに送る場合は、「梱包不要」を選択します。
- 商品ラベルを誰が貼るか選択します。
- 出荷する数量を入力して、「梱包準備完了」をクリックします(輸送箱については、この時点では入力ができないので無視してOK。)。
- 全ての商品の「梱包準備完了」をクリックすると、自分で商品ラベルを貼る選択をした場合、下の方に「SKUラベルをすべて印刷します」という文章が出てくるので、これを押して商品ラベルを印刷します。ラベルを貼る際は、商品のバーコードが隠れるように貼ります。またセット商品の場合は、商品ラベルの他に「開封厳禁」のシールも貼ります(「開封厳禁」のシールは特に場所の決まりはないようです)。
- 商品をダンボール箱に入れてガムテープなどで閉じます。納品書などは不要なので、中に入れるのは商品だけでOKです。
- ダンボール箱のサイズと重量を入力します。
- 配送ラベルを印刷し、ダンボール箱に貼ります。配送ラベルは箱の継ぎ目に貼らないようご注意ください。また、つい三角のマークがついた所からはがしてしまいそうになるのですが、「品番396」「カラーインクジェットプリンタ専用」などと書いてある所から全体をはがすようにしてください。
宅配便で発送する
納品手続きが終了したら宅配便で商品を発送します。私はヤマトの集荷サービスを利用しました。
ダンボール集荷から2日ほどして、Amazonマーケットプレイスのページに無事商品が掲載されました。
以後のことは全てAmazonにお任せです。
商品が売れると、1~2週間後くらいに登録した銀行口座にFBA手数料を差し引いた商品代金が振り込まれます(この際の銀行振込手数料は小口出品でもAmazonが負担してくれるとのこと。2018年8月、Amazonテクニカルサポートに問い合わせて確認しました)。
あとがき
駿河屋買取の時もかなり面倒くさいと思ったのですが、Amazonへの出品はそれに輪をかけた面倒くささでした……。
手間や手数料のことを考えると、Amazonでよっぽどの値がつかない限りは駿河屋で売却した方がいいように感じました(売れ残るというリスクもありませんし)。
しかしさすがAmazonも面倒くさいだけのことはあって(?)、掲載開始から1週間と経たない内に、出品した16商品中2商品が早速売れました。
Amazonではなかなかの値がついているのに、古本屋などの見積もり価格があまり高額ではなかった……という場合、Amazonに出品してみてもいいかもしれません。
folder 役に立つかも