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走らないゾンビ映画 おすすめ11選【80年代中心】死霊のはらわた、ブレインデッド等

time 更新日:  time 公開日:2016/05/17

昨今のゾンビ映画にはよく「走るゾンビ」が登場します。

それはもう怖いです。もし自分がゾンビや感染者に全速力で追いかけられ、捕まったら食べられる! という状況におかれたらと想像すると……そこにはただ恐怖と絶望があるのみです。

それに比べて従来の「歩くゾンビ」といえば、こちらが走れば逃げられるくらいノロノロしています。
彼らは数を武器にして人間を追いつめてくるので、単体だとそれほど強いとはいえなさそうです。

しかし私は全速力で走るゾンビより、ノロノロ歩くゾンビの方が趣きがあって好きです。
歩くゾンビのあのぎこちない動きには、日本のお家芸(?)である暗黒舞踏に通ずる薄気味悪さ、そして様式美があるような気がするからです。

暗黒舞踏参考図

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という訳で、この記事では「走らないゾンビ映画 おすすめ11選」をお送りします!

ジョージ・A・ロメロ監督作品2作

ゾンビ

これを観なきゃ始まらない! ゾンビ映画の金字塔!

ゾンビ
出典:予告編

死者たちがゾンビとして甦り、次々に人間を襲い始めた。テレビ局員のスティーブとフラン、SWAT隊員のロジャーとピーターの4人は、ショッピングモールに立てこもることにしたのだが……。


ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ三部作」の2作目です。

  • 1作目『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』
  • 2作目『ゾンビ』(原題:Dawn of the Dead)
  • 3作目『死霊のえじき』(原題:Day of the Dead)

リメイク作品があったりもするのでややこしいですが、作品を探す時はジョージ・A・ロメロ監督の○○、と探すといいと思います。
ゾンビ好きならこの監督の名前、およびこの『ゾンビ』は避けて通れません。

この『ゾンビ』にはバージョンもいろいろあってこれまたややこしいです。
どのバージョンがいいか? とマニアの方にうっかり尋ねようものなら、「進撃の巨人」のハンジさんが巨人を語るが如くに夜通し語り出すことでしょう。

で、どれがいいかと問われたら、私なら「米国劇場公開版」をおすすめしますでしょうか。
音楽、アクション、時間的な面でも一番バランスが取れているのではないかと思います。

これを観て、また観たい! と思えたら、「ダリオ・アルジェント監修版(音楽が派手でアクション重視、時間が短い)」や「ディレクターズカット版(音楽が控えめで人間ドラマを重視、時間が長い)」などを観て、比べてみてはいかがでしょうか。

予告編

Dawn of the Dead TOP 20 Zombies

こちらは『ゾンビ』に出てくる個性豊かなゾンビをまとめてくれている動画です(順位は動画作成者の独断のようです)。
1位はロメロ監督もお気に入りだというあのゾンビです。納得!

Director George A. Romero has said several times that ○○’s zombie walk is his favorite out of all the Dead movies.
IMDb

ネタバレになってしまうので一部伏せ字にさせてもらいました。
また、動画も本編鑑賞後にご覧になることをおすすめします。

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死霊のえじき

人類滅亡目前!? 「ゾンビ三部作」の中ではグロ度MAX!

地上にはゾンビが溢れ返り、人間よりもゾンビの数の方が圧倒的に多くなっていた。生き残った人間たちは、地下の軍基地で身を寄せ合って暮らしているのだが……。


この作品では『ゾンビ』よりもう少し時が経って、人類の数がだいぶ減っています。

三部作の1作目で「ゾンビの発生」を、2作目では「増殖」を描いていて、この作品ではもう地球上がほとんどゾンビに支配されています。
その時人間は一体どんな行動をとるのか……。

グロ度は「ゾンビ三部作」の中で一番高いと思います。

本物の豚の内臓を使うシーンがあり、それが腐ってしまって撮影時は大変なことになっていたようです。

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ゾンビ三部作の1作目『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』について

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もちろん名作です。「ゾンビ三部作」はどれもゾンビの恐怖と共に、人間の愚かさや醜さも描いていますが、この1作目では特に後者に重きが置かれているように感じました。
現代のゾンビ映画の礎を築いた記念碑的作品でもあります。

ただ、こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、白黒映画なので、映像的にやはり少し地味な感じが否めません。

ゾンビ三部作」は続きものではないので、2作目、3作目を観てみて、ロメロゾンビ大好き! となったら、さかのぼって1作目を観てもよろしいのではないかと思います。

ユーモア要素があるゾンビ映画2作

死霊のはらわた

ちょっと笑えるゾンビ映画の元祖!

死霊のはらわた
出典:IMDb

5人の若者が、休暇を過ごすために森の廃屋にやってきた。その地下で、5人は「死者の書」という古い本を発見し……。


いや、怖いんです。ちゃんと怖いんですが、スプラッター描写が激しすぎて笑えてくるという摩訶不思議なゾンビ映画。

この1作目は笑いと恐怖のバランスが絶妙でしたが、続編ではちょっとユーモアに傾きすぎた感があるかも……?

サム・ライミ監督のデビュー作。今では『スパイダーマン』などの有名作を撮っている監督さんです。
死霊のはらわた』は低予算だったそうですが、スピード感のあるカメラワークやストップモーションアニメが効果的に使われていて、今観ても映像的に面白いです。

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ブレインデッド

血のりの量はゾンビ映画で……いや、これまでの映画で一番かも!?

ブレインデッド
出典:Amazon

息子のデートを尾行して動物園にやってきた母親が猿にかまれてしまう。その傷が悪化し、母親は死んだかと思われたのだが……。


ゾンビ同士がくっついたり赤ちゃんゾンビが誕生したりと、中盤まではなんだかコントのようなノリがありますが、終盤はもうグチャグチャです。
しかしあまりにも血の量が多すぎて行き過ぎ感があるので、やはり終盤も笑ってしまうかも……。

ロード・オブ・ザ・リング』で有名なピーター・ジャクソン監督の2作目です。

デビュー作は『バッド・テイスト』

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題名通りの大変悪趣味な映画です。

ブレインデッド』は、同名の映画があったことから、原題が『Brain Dead』から『Dead Alive』に改題されたのですが、日本では元の題名の方が通りがいいようです。

ちなみに元々あったという同名の映画はと言うと……あまりおすすめ出来ません(間違えて観てしまった)。

ので、ご購入やレンタルの際は間違えないように、監督の名前「ピーター・ジャクソン」を覚えておくとよさそうです。

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異色のゾンビ映画4作

デモンズ’95

クールでシュールなゾンビ映画! 「デモンズ」とは全くの無関係!

デモンズ'95
出典:Amazon

墓地管理人のフランチェスコは、夜毎襲撃してくるゾンビとの戦いをルーチンワークのようにこなしていた。そんなある日、彼は美しい未亡人と恋に落ち……。


英題は『Cemetery Man』、ダリオ・アルジェント製作の「デモンズa」シリーズとは何の関係もないのですが、同じイタリアンホラーというだけでこの邦題になったようです。

毎夜現れるゾンビを日課の如く淡々と倒しながら、ファム・ファタル的な女性と恋に落ちて……しかし終盤は夢なのか、現実なのか、なんだかシュールな展開に。

気だるく、渋く、そして幻想的な雰囲気を持つ、珍しいゾンビ映画です。

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死霊のしたたり

感染しない! 若きマッドサイエンティストがゾンビを作り上げる!

脳外科医ドクター・ヒルの研究室に入ることになったハーバート・ウエスト。彼は秘密の研究をしていて……。


日本公開時に『ZOMBIO(ゾンバイオ)』という題名で公開されたそうで、作品紹介にこの『ZOMBIO』がくっついている時があります。

これもなかなか変わり種のゾンビ映画ではないかと思います。
感染するのではなく、なんと自らゾンビを作り出してしまうというストーリーです。
ラブクラフト死体蘇生者ハーバート・ウェスト」という短編小説が原作ですが、テイストがまるで違います。原作の方がだいぶシリアスです。

鑑賞中に、

変態だー!

と言いたくなることがたびたびあるかもしれません。
でもそれだけでなく、ちゃんとゾッと出来る所もありますのでご安心を(?)。

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ゾンゲリア

なんだか切ない……もの悲しい雰囲気のゾンビ映画

ゾンゲリア
出典:予告編

ある男性が海岸で写真を撮っていた所、何者かに襲われ全身を焼かれるという凄惨な事件が起こる。村の保安官がその事件を捜査していくのだが……。


これも邦題のつけ方がひどい作品です。ゾンビ+サンゲリア=ゾンゲリア
後に出てきますが、『サンゲリア』が流行ったので、それにあやかってつけられたのだとか。
脚本を担当しているのは『バタリアン』の監督であるダン・オバノン(『バタリアン』に関しては後述します)。

劇中ではかなりえげつない残酷行為が行われているのですが、後で思い返すと何故か静謐な印象が残っています。

邦題にそぐわず、ゾンビゾンビしていないゾンビ映画です。

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ゾンビ3

斧や鎌などの道具を使う頭脳派(?)ゾンビ!

屋敷の地下にある遺跡で考古学教授が封印を解いた途端、教授はゾンビに襲われる。数日後、カップルや子連れの夫婦がその屋敷を訪ねると、そこに教授の姿は見当たらず……。


原題は『Burial Ground: The Nights of Terror(埋葬地――恐怖の夜)』なのですが、下に出てくる『サンゲリア』がイタリアでは『ゾンビ2』として公開されたようで、この『ゾンビ3』も同じような経緯でこの題名になったのだと思われます(なぜ日本で『ゾンビ3』の方が根付いてしまったのかは謎ですが……)。

下で紹介するフルチゾンビと同じくゾンビが小汚い! そして特徴的なのは道具を使うことです。ノロノロゾンビがスローな動きで斧や鎌を使う様子はなんだかシュール。
キャラクターも強烈で、ゾンビと同じくらい……いや、もしかしたらそれ以上に不気味かもしれないマザコン坊や・マイケル、そしてその母の異様なほどのたくましさ……!
グロ描写もなかなかのもので見どころ満載です。

ルチオ・フルチ監督作品3作

サンゲリア

ゾンビに慣れてきた! 多少腐っててもイケそう! という方におすすめ

サンゲリア
出典:Amazon

ある日、海で漂流している一艘の船が見つかる。その船には腐った体の大男が乗っていて……。


ロメロ監督のゾンビは怖いです。
しかし何が怖いって、あのぎこちないゾンビウォークや、束になってかかって来られるとメチャクチャ厄介だとか、そういう動作や状況が怖いと思うのです。

なので実はロメロゾンビのメイクというと、顔を青く塗って(本当は灰色に塗ったのですが、それがフィルムを通したら青く見えてしまったらしい)、お口周りに血のりをトッピングする程度だったりする訳です。

しかしフルチ監督のゾンビは違います。腐りかけです。いや、もう完全に腐っているのかもしれません。まー絵ヅラが汚いです。

残虐描写も凄まじいです。そしてこの『サンゲリア』には鮫VSゾンビという訳の分からない対決まであります(物語には何も関係してこない)。
てんこ盛りすぎます。


サンゲリア

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ビヨンド

のっけからゴア度高すぎィ!

ビヨンド
出典:Amazon

ホテルに滞在していた画家が、硫酸をかけられるなどの凄惨なリンチを受けて殺害されるという事件が起こる。それから数十年後、そのホテルを相続した女性ライザは、ホテルの営業を再開するべく改修工事に取りかかるのだが……。


80年代のアメリカの殺人鬼映画なんかだと、来るか来るか……と思わせて「友達が脅かしただけ」とか、「猫が通っただけ」とか、前半部分がメチャクチャかったるいことがあります。

しかしこの『ビヨンド』ではそんな引き伸ばしは一切ありません。
オープニングからものすごいテンションでやってくれます。
そして劇中でも数々のショックシーンを見せてくれます。

私はそういうシーンはよく覚えているのですが、ラストがどうも下記の『地獄の門』とごっちゃになっています。
でもフルチ監督のゾンビ映画では話はどうだっていいので問題無しです。

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地獄の門

○○を吐くシーンにはおったまげること請け合い!

ある町で神父が首吊り自殺をする。それ以後、町では異様な出来事が頻発し……。


ゴアシーンの数で言うと『ビヨンド』の方があるかもしれませんが、この『地獄の門』は1個1個のインパクトが凄まじいです。

「女優さんは持って生まれた容姿を武器に、チョロッと台詞を言ってチヤホヤされていい商売ですなァ!」なんて思ったこともありましたが、この映画を観て考えを改めました。大変申し訳ありませんでした。特にホラー映画の女優さん。

それとストーリー上特に必要がなさそうなのに、ひどい死にっぷりをさせられるかわいそうな人がいます(イタリアンホラーにはこういう脈絡のないゴアシーンが多い気がします……)。

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あとがき

『バタリアン』は!?

あれ、『バタリアン』は!? という声が聞こえてきそうな気がしますが、私も入れるつもりだったのです。

しかし予告を見たら、思いっきり走ってたんですよ……。

バタリアン』なら許されそうな気もしましたが、一応「走らないゾンビ映画」のおすすめページということで、泣く泣く外しました。

タールマンオバンバなど、個性的なゾンビが登場するのが楽しいです。また、ほどよいユーモアやちょっとしんみりするような場面もあり、オチのインパクトも強いです。もしかしたらゾンビ映画入門にうってつけの作品といえるかもしれません。

ゾンビ映画に興味があるけれど、いきなり上記のおすすめ作を観るのはちょっと怖いかも……という方は、試しに『バタリアン』をご覧になってみてはいかがでしょうか。

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近年の走らないゾンビ映画

ゾンビ大陸 アフリカン

きっとまた走ってるんだろうなァ……と思い、近年のゾンビ映画はあまりチェックしていなかったのですが、

ゾンビ大陸 アフリカン』(2010年)は、近年のものにしては珍しく走っていないというレビューを目にしたので観てみました。

2000年以降のゾンビ映画は、走るのに加えてユーモア要素が含まれているものが多い気がしますが、『ゾンビ大陸 アフリカン』はかなり骨太な雰囲気がありました。

予告編によると、「ゾンビ史上初、舞台はアフリカだ!」ということなのですが、今までなかったのが不思議なくらい絵になっていました。
広大な大地に、黒人さんのゾンビの群れがゾロゾロ……!
そしてそのゾンビたちの動きはゆっくりなので、古いものと新しいものが融合しているような良さがありました。
走らないゾンビ映画が好きな方にはおすすめです。

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コリン LOVE OF THE DEAD

一時期「製作費が安いのに絶賛されているゾンビ映画!」と話題になっていたので観てみました。
好きな方には大変申し訳ないのですが、私はこれには全くハマレませんでした……。

予告編を観てもらうと分かると思うのですが、画面がメチャクチャ揺れるんです。
POVという方式で撮られたフェイクドキュメンタリー風の作品なので仕方ないといえば仕方ないのですが、この映画の画面揺れは特にすごくてちょっと酔いました。そのためか内容もあまり頭に入ってこず……。
ゾンビ視点の映画、というアイデアは面白いと思うので残念です。

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あまりおすすめではないのですが……他の方のレビューが見られるので、一応Amazonへのリンクを貼っておきます。


何はともあれ、走っても走らなくても、キレイでも腐ってても(イタリアンゾンビ大好き!)、ゾンビ映画を鑑賞して楽しみましょう!