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映画SAWシリーズまとめ(PART1~ソウ ザ・ファイナル)【ネタバレ&グロ度あり】

time 更新日:  time 公開日:2018/02/07

2018年の年頭に、ABEMAで映画SAW(ソウ)シリーズを一挙放送(といっても1日1作品ですが)していました。
私はレンタルで『ソウ 3』までは鑑賞していたのですが、その後はなんだか飽きてしまって未見でした。
しかし無料で視聴できるということなら……とこの機に観てみることにしました。
シリーズを通して鑑賞した所、「なるほど……」と思えることがいくつかあったので、下記に備忘録的にまとめておこうと思います。

ネタバレが満載ですので、未見の方はご注意ください。
1度鑑賞したけどどんな話だったっけ? とか、シリーズの途中までは見たけどその後はなんだか観る気が起きない、手っ取り早く結末だけ知りたい――といった方のお役に立ちましたら幸いです。

おトク情報
Amazonプライムa会員の方は、パート1以外のソウシリーズaを追加料金なしで鑑賞できます。

SAW(ソウ)シリーズ全体のざっくりとしたあらすじ

ジョン・クレイマー|Saw Wiki
ジョン・クレイマー|Saw Wiki

ジグソウ」と呼ばれる連続殺人犯が起こす猟奇的な事件が世間を賑わせていたが、その「ジグソウ」の正体はジョン・クレイマーという末期がんの男性であった。

ジョンは自分のように生きたいにもかかわらずあと少ししか生きられない者がいる一方、自らの生命を粗末にしたり、他人の生命をないがしろにしたりする者たちが存在することが許せなかった。
ジョンは彼らに生命の尊さを知らしめるために、彼らを「被験者」として残虐なゲームを仕掛け始めたのだった。


――という訳で、ジグソウが起こす事件はジグソウがいうには「ただの殺人ではない」とのこと。実際ジョン・クレイマーが行ったゲームには「こうすれば生き延びることができる」という条件がついており、「生き延びられたら生きていることに感謝しろよ」ということらしいです。

しかしその条件はかなり過酷で、中には全身火だるまになったり、腕を切り落とさねばならなかったりした人も……。
そして結局は大体の人が死にます(ほとんどがムリゲーなので……)。

ジョン・クレイマーはシリーズの途中で死亡し(『ソウ 3』)、その後のシリーズでは「ジグソウ」の後継者や協力者などが争いつつ、ゲームを行っていきます。

「ソウ集編」3分でわかる、ジグソウの歴史!(公式動画)

『ソウ』~『ソウ ザ・ファイナル』が3分間にまとめられている公式動画です。
しかし本当に3分でわかるかといえばちょっと疑問。
初見の方は何がなにやら……といった感じかもしれませんが、雰囲気は伝わると思います。

5分でわかる! 「ソウ集編 ザ・ファイナル 2D」(公式動画)

こちらは『ソウ』~『ソウ 6』までの総集編動画です。『ソウ ザ・ファイナル』は含まれていませんが、こちらのほうがストーリーが分かりやすいかもしれません。

「ジグソウ」の名前の由来

遺体の皮膚の一部をジグソーパズルのピースのような形に切り取るので「ジグソウ」と呼ばれ始めたそうです。
しかし途中からこのような設定はなかったかのようにただただ殺しっぱなしになっていきます……。

各シリーズのまとめの読み方

以下には各シリーズのあらすじや感想などが書いてありますが、それを読む際の注意点(というほどのものでもないのですが……)を挙げておきます。

  • 登場人物や被験者の欄があるのですが、他のシリーズ作品にも登場する人物には●印をつけています。
  • 各シリーズ作品の感想の終わりにグロ度を星5つ中いくつかで示しています(といっても私の個人的な感じ方ですので、あくまでただの目安としてお考えください)。
  • 文中に Movieclips というボタンがいくつかあります。そのボタンをクリックすると、その直前の文章のシーンを動画で観ることができます(「Movieclips」は合法の映画クリップ集です)。

『ソウ』

あらすじ

医師のゴードンは見知らぬバスルームで目を覚ました。足が鎖で繋がれており、部屋の対角線上には自分と同じように鎖で繋がれている男がいる。そして部屋の中央には拳銃を握ったまま血の海に横たわっている男性の姿が……。Movieclips

ゴードン医師、そしてアダムという名のもうひとりの男は、なぜこのような状況になったのか、そしてどうすればこの異様な状況から脱け出せるかを、部屋に散りばめられたヒントを元に模索し始める。

主な登場人物

ローレンス・ゴードン医師。なぜかバスルームに閉じ込められてしまう。
アダム写真家。ゴードン医師と共にバスルームに閉じ込められている。
アリソンゴードン医師の妻。
ダイアナゴードン医師の娘。
ゼップゴードン医師の病院に勤めている雑役係。
タップ元刑事。あることがきっかけで精神を病み、刑事を退職。
シンタップの相棒だった若い刑事。
ケリー女性刑事。『ソウ』ではほとんど出番はないが、『ソウ 2』で活躍。
???バスルームの中央で横たわっている男性。

被験者

ポール46歳の自殺志願者。カミソリだらけの部屋から脱出できずに死亡。Movieclips
マーク放火犯。血液に毒を入れられる。金庫の中の解毒剤を取ろうとするが、体に塗られた引火性物質にローソクの火が引火して死亡。
アマンダ麻薬中毒者。顔に「逆トラバサミ」(作動すると顔が潰れる)をつけられる。同じ部屋にいる男性の胃の中に鍵がある。ナイフで刺して取り出しアマンダは生き延びる。Movieclips
アマンダはこれをきっかけにジグソウに心酔しジグソウの手伝いをするようになる。
ジェフ被験者になりそうだったのだが、刑事が来たため危うい所で助かる。その後はどうなったのか不明。『ソウ 3』にもジェフという名の男性が出てくるがまた別人。

上記はいずれも「こんな事件があった」という回想シーンとして出てきます。

アマンダが仕掛けられたトラップ「逆トラバサミ」|Saw Wiki
アマンダが仕掛けられたトラップ「逆トラバサミ」|Saw Wiki

ラストまでネタバレ

ゴードン医師が得た部屋から脱出するヒントは、朝の6時までにアダムを殺害しろというものだった(ゴードン医師が時計に気付いたのが10時20分くらいだったので、猶予はあと7時間半くらい)。

ゴードン医師はいろいろ考える内にジグソウという連続殺人犯のことを思い出し、自分たちはその連続殺人犯のゲームに参加させられたのではという疑いを持つ。

その後ゴードン医師の財布から、ゴードン医師の妻と娘が縛られている写真が出てきたり、着信専用の携帯電話で娘のおびえた声を聞かされたりしたことで、ゴードン医師は次第に精神的に追い詰められていく。

刑事であったタップは、相棒シンがジグソウのトラップに引っかかって死亡したことによりノイローゼのようになってしまい、刑事をやめてもなおジグソウの追跡に執念を燃やしていた。
ゴードン医師がジグソウではと疑われたことがあり(マークのゲームの現場にゴードンのペンライトが落ちていた)、そのことからタップ元刑事はゴードン医師の家をつきっきりで見張っていたのだった。
これが功を奏したというべきか、ゴードン医師の家に異変があったことにタップ元刑事が割と早い段階で気付く。
ゴードン医師の妻と娘が何者かに縛られている……!

助けに入ると、そこにはゴードン医師の病院の雑役夫であるゼップがいた。
タップ元刑事は逃げるゼップを追いかけもみあいになり銃で打たれて死亡。

見つけたノコギリで鎖を切ろうとしたり、アダムを殺したと見せかけたりといろいろなことを試みたゴードン医師とアダムであったが、結局何も解決できぬまま期限である朝の6時を迎えた。
妻と娘の安否が気がかりで半狂乱になったゴードン医師は(結局ゴードン医師の妻と娘は無事だったのだが)、鎖に繋がれた自分の足をノコギリで切り落とし、這いつくばりながらバスルームからの脱出を図る。Movieclips

そこに雑役夫ゼップが現れるが、アダムにトイレタンクのふたでメタメタに殴られて死亡する。その後ゴードン医師はやはり助けを呼んでくるといい部屋を出て行った。Movieclips

アダムがゼップの持ち物を探ると、ジグソウからのメッセージが吹き込まれたテープが出てくる。ゼップがジグソウかと思いきやそうではなく、ゼップもまたジグソウのゲームに参加させられた被験者だったのだ(体内に遅効性の毒を注入されていた)。

ラスト、部屋の中央に横たわっていた男性がのっそりと起き上がる。彼こそがジグソウであったのだ。ジョン・クレイマーという末期がんの男性だった。
ゴードン医師はジョンの主治医だったが、あまり気持ちがこもっていない診察をしたためにジョンの怒りを買ったのだった。Movieclips

ちなみにアダムは写真家といいつつ探偵の真似事のようなことをしていて、ゴードン医師の浮気現場の写真を撮っていた(依頼したのはタップ元刑事)。
アダムは鎖に繋がれたままバスルームに閉じ込められて終了。

後のシリーズで判明すること

  • ジョンと共に被験者のポールをさらってきたのは、『ソウ 3』から登場するホフマン刑事。(『ソウ 5』)
  • ジョンがゴードン医師のペンライトを盗み、それをホフマン刑事に渡し、ホフマン刑事がマークのゲームの現場にそのペンライトを置いてゴードン医師に疑いがかけられるように仕向けた。(『ソウ 5』)
  • バスルームに寝そべる前に、ジョンは自分で自分に血糊メイクを施していた。(『ソウ 3』)
  • ジョンは心拍数を下げたり筋肉を弛緩させたりする薬を使っていたので、約8時間もの間死んだフリをすることができた。(『ソウ 3』)
  • アダムをバスルームに運んできたり、足かせをはめたりしたのはアマンダ。(『ソウ 3』)
  • アダムとゼップはバスルームでミイラになった。(『ソウ 2』)
  • アダムは自然死ではなく、アマンダがアダムを窒息死させた。(『ソウ 3』)
  • ゴードン医師は出血多量で死ぬかと思いきや(顔色がゾンビのようになっていた)、バスルームを脱出した後ジョンに助けられ、以降ジョンの手伝いをするようになった。シリーズ中のゲームで医療の技術が必要な所(『ソウ 2』の目の中に鍵を入れるなど)はゴードン医師が行っていた。(『ソウ ザ・ファイナル』)

疑問

  • 末期がんの患者の割には、ジグソウは刑事との戦いでは走ったりもしていて割と元気そう(しかしこの頃から後に後継者や協力者といわれる人々がジョンのゲームを手伝っていたようなので、その内の誰かだったのかもしれない)。
  • アマンダのゲームはおっかないけれど、自分の体を犠牲にする訳ではないので他の人よりは簡単? はじめから後継者候補だったということなのか?
  • アダムはゴードン医師の浮気調査的なことをしていたが、特に命を粗末にしているような感じはなかったので、なぜ被験者に選ばれたのかよく分からない。

感想&グロ度

低予算なのに面白い! と話題になった第1作目。
徐々に謎が解き明かされていく過程にドキドキしますが、なんといってもラスト、中央にいた男性(=ジグソウ)が動き出した時には衝撃を受けました。ケリー刑事の「ジグソウは最前列で(ゲームを)見るのが好きなようです」という言葉が重要な伏線になっていたということですね。

しかし冷静になって考えてみると、約8時間もの間死んだフリをできるものだろうか……という疑問がわいてきたのですが、これについては上でも書きましたが、『ソウ 3』で心拍数を下げたり筋肉を弛緩させたりする薬を使っていたと判明します。
裏設定としてはじめからあったものなのか、それとも後づけしたものなのか……どちらなんでしょうかね。
ちなみに『ソウ 3』ではその他にジョンが自分に血糊メイクを施すというメイキング映像的なシーンを見ることもできます。

ソウシリーズというとグロのイメージが強そうですが、この第1作目はグロシーンはほとんどといっていいほど出てこないので、グロが苦手な人も鑑賞できると思います。
映画としての評判が一番高いのは恐らくこの第1作目です。

グロ度:★★★★


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『ソウ 2』

あらすじ

情報屋のマイケルが殺された。現場の様子からジグソウが起こした事件と推測される。その現場の天井には「マシューズ刑事が近くで見ろ」というメッセージが残されていた。

指名されたエリック・マシューズ刑事に思い当たる場所があり、そこに警官たちが踏み込むと、ジグソウと呼ばれる連続猟奇殺人犯、ジョン・クレイマーがいた。思いのほかあっさりと捕まるジョン。

部屋にはモニターがあり、エリック・マシューズ刑事の息子であるダニエルを含めた数人の男女が映っていた。また別の場所でゲームが始まっていたのだ。ジョンは「約2時間後に彼らがいる建物に毒ガスが充満して死ぬ」という。

ジョンはエリック刑事と2人で話がしたいと要求する。「ルールは簡単だ。座って話をするだけ」――ジョンの話を聞いている間にも、ダニエルのいる建物には刻一刻と毒ガスが充満していく……。

主な登場人物

エリック・マシューズ刑事。昔はかなり横暴な捜査をしていて、証拠をでっちあげたり、武器を持たない容疑者を撃ち殺したりしたことがある。現在妻と離婚協議中。
ケリー女性刑事。『ソウ』にもちょこっと出ていた。
リッグSWAT隊長。『SAW2』ではちょこっとしか登場しないが、『SAW4』で大活躍する。
ジョン・クレイマージグソウと呼ばれる連続猟奇殺人犯。

被験者

マイケル冒頭で登場。刑事の情報屋で、エリック刑事の友人でもあった。首にハエトリ草のような装置をつけられる。鍵は自分の右目の中。怖くて取り出せず、装置に頭を挟まれて死亡。Movieclips

毒ガスが充満する建物内の被験者たち

ダニエルエリック・マシューズ刑事の息子。近頃少し素行が悪い。
アマンダ『ソウ』に引き続いての登場(前作では逆トラバサミを仕掛けられた)。今回は使用済みの注射器がぎっしり詰まっている穴に落とされ鍵を探し当てる破目になる。Movieclips
ザヴィエル麻薬の売人。乱暴者。
オビ詐欺師。毒ガスの解毒剤を入手するためにある装置に入った所生きながら焼かれて丸焦げになり死亡。Movieclips
ジョナスザヴィエルに釘バットで頭を殴られて死亡。
ローラ毒ガスに侵されて死亡。
アディソン毒ガスの解毒剤を取ろうと箱に手を入れた所抜けなくなり腕をカミソリでズタズタに切り刻まれる。生死不明(恐らく死亡)。Movieclips
ガス8人の中で真っ先に死亡。鍵をドアに差し込むな、と書いてあるにもかかわらず差し込んだ所、ドアの覗き穴から銃弾が発射されて死亡。

ラストまでネタバレ

建物に閉じ込められた被験者たちにはある共通点があった。ダニエル以外は皆刑務所に入っていた経験があり、彼らを捕まえたのが当時強引な捜査をしていたエリック・マシューズ刑事であった。彼らはエリックを恨んでいた。ダニエルがエリックの息子だと彼らにバレたらダニエルの身が危ない――。

エリック刑事は悠長に話をしているジョンに痺れを切らし、昔の強引な捜査方法さながらにジョンに暴力を振るい始める。しまいにはジョンの指を折るエリック刑事。
ジョンは観念したのか、被験者たちがいる建物に向かうことを了承する。ただしエリック刑事とジョンの2人だけで――。

建物の中は、被験者が罠にかかって死んだり、仲間割れの末に殺されたりして殺伐とした雰囲気になっていた。そしてある時、ザヴィエルがある死体の首の後ろに色つきのナンバーが書いてあることに気付く。
「全員の頭脳の後ろにナンバーが。順番は虹のかなた」というヒントをその前に見つけていたのだが、その意味はこれだったのか……! とそこでピンとくる。
金庫の中にあるという解毒剤を得るため、被験者たちのナンバーを集めてまわることにするザヴィエル。

ザヴィエルに追われたダニエルとアマンダは、地下室への扉に気付きそこに逃げ込む。なんとそこは『ソウ』の舞台であるバスルームに続いていた(アダムとゼップの死体がミイラになっている)。
ザヴィエルがバスルームまで追いかけてくるが、毒ガスがまわったことにして死んだフリをしていたダニエルに不意を突かれて殺される。Movieclips

一方その頃、勝手に出て行ってしまったエリック刑事とジョンを追って警官たちは建物内に突入するが、建物内には誰もいなかった。モニターの被験者たちの映像は録画したものであったのだ。
するとジョンが潜んでいた建物にあった金庫の扉が自動的に開いた。中には手足を縛られたダニエルの姿が――。
エリック刑事がジョンの言うとおりにただ「座って話をするだけ」というルールを守っていたら、エリック刑事はその場で無事息子と再会することができたはずだったのだ。

しかしそれを守らず、イライラしてジョンに暴力を振るったエリック刑事に罰が下る。バスルームに辿りついたエリック刑事は豚マスクをかぶった何者かに薬を打たれる。
エリック刑事が目覚めると足かせをはめられていた。そしてその場にはアマンダの姿があった。アマンダは逆トラバサミのゲームの際に生命の大切さを知り、それ以来ジグソウにすっかり心酔していた。
ジョンは末期がんで余命いくばくもないが、アマンダがジョンの跡を継いでジグソウになることをエリック刑事は知らされる。
そしてアマンダはエリック刑事を残したままバスルームを出て行った――。

ジグソウ(ジョン・クレイマー)について新たに分かったこと

末期がんと宣告された後に自殺を試みたが死ねなかった。
その後なぜか生命を粗末にする者に生命の大切さを知らしめる活動に目覚めてしまう。

生を尊重しない者は生きるに値しない
by ジグソウ(ジョン・クレイマー)

アマンダについて

  • アマンダはエリック刑事に証拠をでっちあげられて、薬物使用の罪で刑務所に入っていた。その時は薬物を使用していなかったが、刑務所に入れられたことから身を持ち崩し、その後本当に薬物中毒者になった。
  • アマンダはジョンの元妻であるジル・タックの薬物中毒者更正施設の患者であった。しかしそこに通っていても薬物から抜け出せなかった。薬物から抜け出せたのはジョンのゲームにかけられて、生命の大切さを身をもって知ったおかげであったという。(『ソウ 6』)
  • という訳でアマンダはジョンを崇拝しているのだが、だからこそジョンには言えない秘密を抱えてもいた。(詳しくは『ソウ 3』へ)

後のシリーズで判明すること

  • 被験者マイケルの目の中に鍵を入れたのはゴードン医師。(『ソウ ザ・ファイナル』)
  • 毒ガスの被験者の人々を運んできたのはホフマン刑事。覗き穴から銃弾が発射される仕掛けの手伝いもしていた。(『ソウ 5』)
  • エリック刑事はバスルームに閉じ込められた後、『ソウ』のゴードン医師と同じように自らの足を犠牲にすることによりバスルームからの脱出を図った。
    しかしアマンダに見つかり通路でアマンダと対決することに(『ソウ 3』で判明)。
    ここで殺されたかと思いきや、エリック刑事は『ソウ 4』にも登場する。

感想&グロ度

被験者たちの人数が多すぎて、ひとりひとりの存在感がちょっと薄いように感じました。
「ダニエルがエリック刑事の息子だとバレた時に、彼らに袋叩きにあうかもしれない」とエリック刑事を焦らせるためにたくさんの被験者を集めたのだと思うのですが、ダニエル、アマンダの他に3~4人もいれば充分だったような気がします。

生きながら丸焦げにされる、という死に方はいやでしたねェ……。腕が抜けなくなってカミソリでズタズタ、も痛そうで「イーッ」となりました。しかも解毒剤を打っていないのであの女性は恐らく腕が抜けないまま亡くなってしまったのだと思われます、かわいそうに……(ソウシリーズの被験者でかわいそうでない人はまずいませんが……)。
丸焦げのシーンが少しグロいかなという気がしますので、グロ度は『ソウ』よりひとつ上がって星2つとしておきます。

グロ度:★★★★★


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『ソウ 3』

あらすじ

女医のリンがさらわれた。目覚めるとそこには末期がんのため衰弱しきったジョン・クレイマーと、ジグソウとして跡を継ぐというアマンダの姿があった。
リンは彼らに「ある男のゲームが終わるまでジョンを生かせ」といわれる。リンの首には、ジョンが死ぬと銃弾が発射されるという特殊なショットガンのような装置がはめられていた。
まともな医療器具がない環境で、リンの決死の手術が始まる。
その手術と同時進行で、ある男のゲームも着々と進んでいく――。

主な登場人物

ジェフゲームに参加させられたある男。息子のディラン(当時8歳)を飲酒運転で殺された(裁判で犯人は軽い罪になった)過去を持ち、自暴自棄になっている。
リン・デンロン女医。さらわれてジョンの手術をさせられる。
ジョン・クレイマー連続殺人犯ジグソウ。がんのため衰弱している。
アマンダジョンを崇拝しており、ジグソウの跡を継ごうとしている。
マーク・ホフマン刑事。『ソウ 4』以降に出番が多い。
リッグSWAT隊長。『ソウ 2』『ソウ 3』ではチョイ役だが、『ソウ 4』で活躍する。

被験者

トロイ全身が鎖で繋がれている。鎖は皮膚に食い込んでいる。部屋には爆弾がセットされているので、鎖(というか皮膚)をちぎって部屋を脱出しなければならない。しかし間に合わずに爆発して死亡。後に刑事が現場を調べた所、ドアが溶接されており、鎖を全てちぎったとしても脱出できないようになっていた。Movieclips
ケリー女性刑事。鎖で繋がれている。酸の中に鍵があり、手を入れると大やけどする。なんとか鍵を入手したにもかかわらず、鍵が合わずに上半身の皮をバリッと剥がされて死亡。Movieclips

上記はジョン・クレイマーでなくアマンダが仕掛けたゲーム。アマンダは被験者にチャンスを与えることなくただ殺している。これがジョン・クレイマーの怒りに触れる。

ジェフのゲームの被験者

ダニカ・スコットジェフの息子の事故の唯一の目撃者。しかし証言をしてくれなかった。ダニカは寒い部屋に全裸で吊るされて水をかけられている。ジェフがダニカに恨みの言葉を吐いている内に、ダニカは凍りついて彫像のようになってしまう。ジェフは最後にダニカを救おうとしたが間に合わなかった。
ハルディンジェフの息子の裁判の判事。腐った豚をドロドロの液体状にしたもので溺れさせられそうになる。ジェフはダニカの時と同じように恨みごとをいうが、最終的には彼を助ける。Movieclips
しかし判事は後に出てくるティモシーを救おうとして死亡。
ティモシー・ヤング医学生。ジェフの息子をひき殺した男。手足や首が徐々にねじられていく「歯車」という装置にかけられている。ジェフは「この男を赦(ゆる)す」と叫ぶが、ティモシーは首を回転させられて死亡。Movieclips
ティモシーがかけられた装置「歯車」|Saw Wiki
ティモシーがかけられた装置「歯車」|Saw Wiki

ラストまでネタバレ

ジグソウの跡を継ぐというアマンダは引き出しの中に自分宛ての手紙を見つけ、それを読む。その後アマンダは精神的に不安定になり、ジョンに止められているにもかかわらず自傷行為をしてしまう。

ジェフと女医のリンは夫婦だった。息子が亡くなってから2人の関係は冷えていた。ジェフは自暴自棄になり、リンは浮気をしていた。2人の間には亡くなった息子以外に娘もいるが、娘のことも最近は放置気味であった。

リンは無事手術を成し遂げ、ジョンはまだ生きていた。そこにゲームを終えたジェフが現れる。しかし夫婦が再会を喜ぶ暇もなく、アマンダは「ある男のゲームが終わるまでジョンを生かしておけたらリンを解放する」というルールを破り、リンを銃で撃つ。ジェフはゲームで入手した銃を使ってアマンダを撃ち、アマンダは死亡する。

ジェフは「お前を赦(ゆる)す」といいつつ、ジョンの喉をチェーンソーでかき切る。ジョンが最後にジェフに渡したテープにより、ジェフとリンの娘がじきに空気がなくなる場所に監禁されていることが分かる。

アマンダに撃たれたもののなんとか生きていたリンだったが、ジョンが死亡するやいなやリンの首につけられた装置が作動し、顔面を破壊されて死亡する。

ジグソウ(ジョン・クレイマー)について新たに分かったこと

  • ジョンの手術の場面で、ある女性の映像が走馬灯のように流れる。これはジョンの元妻ジル・タック。『ソウ 4』以降で出番が増える。
  • ビリー人形(たまに出てくる不気味な人形)はジョンの手作りらしい。マスクに筆で色を塗っているシーンが出てくる。
ソウシリーズのマスコット的存在(?)であるビリー人形|Saw Wiki
ソウシリーズのマスコット的存在(?)であるビリー人形|Saw Wiki

後のシリーズで判明すること

  • 女医のリンを誘拐したのはホフマン刑事。(『ソウ 4』)
  • リンのことをジョンに教えたのはゴードン医師。(『ソウ ザ・ファイナル』)
  • ジョンとアマンダにダメだしされつつ、ホフマン刑事も「歯車」の準備を手伝っていた。力仕事は主にホフマンがやり、ジョンはブレーンという位置づけだった。(『ソウ 6』)
  • 引き出しの中にアマンダ宛ての封筒が入っていたが、それを引き出しに入れたのはホフマン刑事。(『ソウ 4』)
  • 封筒の中にはホフマン刑事からアマンダへの手紙が入っていた。手紙の内容は、

    ジルが流産した夜、君はセシルといた

    彼らの子供を殺した

    俺は知ってる
    だから言う通りにしろ

    リン・デンロンを殺せ
    逆らえばジョンにバラす

    というようなものであった。

    ジルというのはジョンの元妻で(『ソウ 4』から登場)、過去にジョンとの子供を流産しています。それはセシルという男のせいだったのですが、実はそのセシルとアマンダはその夜一緒にいたというのです(恐らく強盗を共に画策していた)。

    それをジョンに知られたら嫌われる……(というかそれでは済まずに殺される?)と思ったアマンダは、ジョンに「リンを殺すな」と命令されていたにもかかわらず、リンを殺さざるを得なかった――という訳です。(『ソウ 6』)

    ホフマン刑事は、後からやってきて偉そうにしているアマンダが気に入らなかったので、アマンダを亡き者にしたかったのだと思われます。

シリーズ後半の重要人物であるホフマン&ジル|Saw Wiki
シリーズ後半の重要人物であるホフマン&ジル|Saw Wiki

感想&グロ度

自分の息子をひき殺した犯人や、その裁判で軽い罪を言い渡した判事、証言に協力してくれなかった目撃者が目の前でひどい目にあっていたら、彼らを助けるべきか否か――このテーマはなかなか面白いのではないでしょうか。

そして後々明らかになるのですが、ジェフとジョンは境遇が少し似ています。それなのになぜジョンはジェフにこんな仕打ちをしたのか……。似たような境遇なので、アマンダが失敗した時に備えての後継者として考えていたという可能性もあるのでしょうか……?
しかし実は後に他の後継者や協力者がチラホラ出てくるのですよね。そんなにたくさん後継者や協力者を作ってどうするつもりだったのか……。同志は少しでも多いほうがいいとジョンは考えていたんでしょうかね。

ジョンがビリー人形をせっせと作っていたり、『ソウ』でバスルームに寝そべる前に自分で自分に血糊メイクを施していたりするシーンが出てきたのがなんだかちょっと微笑ましかったです(犯人もいろいろ苦労しているんだなァと……『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』を思い起こしたりして……)。

ソウシリーズで1、2を争う残酷度との呼び声も高い装置「歯車」(ジョンもお気に入りらしい)や、実は地味に一番いやかもしれない「腐った豚の液体まみれにされる」というイカれた罰ゲーム(?)が出てくるので、グロ度はまずまず高めの星4つとしておきます。

グロ度:★★★★

今思うと、ティモシーは子供をひき殺したということでとびきり残酷な装置「歯車」にかけられたんでしょうかね……。


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『ソウ 4』

あらすじ

女刑事ケリーの死体が見つかってからの警察の足取りを追う。

ケリーの死体が見つかった現場に、FBI捜査官ストラムとペレーズがやってくる。ケリーは実はFBIの連絡員だった。
ストラム捜査官は現場の様子から、ジョン、アマンダ以外にもジグソウの協力者がいるのでは――と同僚のペレーズとホフマン刑事に語る。

その後SWAT隊長リッグがゲームを仕掛けられる。

主な登場人物

リッグSWAT隊長。『ソウ 2』『ソウ 3』でちょこっと登場していたが、『ソウ 4』でついにゲームに巻き込まれる。最近仕事が忙しくて妻とすれ違い気味。
ピーター・ストラムFBI捜査官の男性。
ペレーズFBI捜査官の女性。
ジル・タックジョン・クレイマーの元妻。
ジェフ『ソウ 3』の主人公。『ソウ 3』と『ソウ 4』はほぼ同時に進行していて、『ソウ 3』でジェフがゲームを行っていた場所にリッグやストラムがたどり着く。

被験者

目が縫われている男と
口が縫われている男
目が縫われている男は状況が分からず、口が縫われている男は状況が説明できない。2人はお互いに鎖で繫がれていて、相手の鍵を奪って脱出しないと死んでしまうシステムになっている。口が縫われている男がもう片方の男を殺して鍵を奪う。生き残ったのが弁護士アート・ブランク。

リッグ隊長のゲームの被験者

エリック・マシューズ『ソウ 2』の主人公である刑事。『ソウ 2』でバスルームに閉じ込められ、『ソウ 3』で足を潰し脱出し、アマンダに見つかるシーンが出てきたが、その後半年ほどどこかに監禁されていたらしい。だというのに少し恰幅がよくなっている気がするのはご愛嬌。今回はツルツルの氷の上に吊るされ、バランスを崩すと死ぬという装置にかけられている。Movieclips
マーク・ホフマン刑事。エリックが死ぬとホフマンも死ぬという装置に座らされている。
ブレンダ少女の売春をあっせんしているらしき女性。万力のような機械に髪を引っ張られて頭皮がはがれそうになる。リッグ隊長のおかげでなんとか助かるが、ジグソウにあらかじめ仕向けられていたためリッグ隊長を襲い、返り討ちにあい結局死亡。
アイヴァンリッグ隊長がジグソウに指定されて向かったアレキサンダーモーテルの受付に座っていた男性。暴行魔。60秒以内に目か体を選べといわれ片目をえぐるが、結局体もバラバラにされる。Movieclips
娘を虐待していた父とその妻夫婦が背中合わせになって串刺しにされている。突き刺さっているものを妻側から引き抜くと、夫は出血多量で死ぬ仕組み。Movieclips

ラストまでのネタバレ

FBIがリッグ隊長の足取りを追う内、あるひとりの人物が浮かび上がる。弁護士アート・ブランク――ジルや今回の被験者たちの弁護士で、以前にリッグ隊長やホフマン刑事と揉めたことがあった。このアートが今回のゲームを仕掛けたのでは、と疑われた。

確かにアートは、エリック刑事とホフマン刑事のゲームの現場にいた。しかしアートの背中には何かの装置がつけられていた。どうやらアートもジグソウによりゲームに参加させられている被験者らしい。

FBI捜査官のストラムとペレーズが捜査を進める内、ペレーズは負傷する。ペレーズは怪我をしながらも入手した鍵をストラムに渡す。ストラムはその鍵が使えるであろう「ギデオン食肉工場」(ジョンが所有していた工場)に向かう。

エリック刑事とホフマン刑事はやはり「ギデオン食肉工場」に捕われていて、リッグ隊長もそこに向かっていた。
また時を同じくして、『ソウ 3』のジェフも「ギデオン食肉工場」にいた(『ソウ 3』と『ソウ 4』はほぼ同時に進行している物語)。

ジョンを殺した後、ジェフはストラム捜査官と鉢合わせし、ストラム捜査官に撃たれて死亡する。

ホフマン刑事から「未確認の扉は開けるな」とケリー刑事の現場で注意されていたというのに、またエリック刑事が「開けるな!」と制止したにもかかわらず、リッグ隊長は制限時間が近づいていることから慌ててエリック刑事たちのいる部屋のドアを開けた。
リッグ隊長はアートを銃で撃つ。するとその直後、エリック刑事に仕掛けられた装置が作動して、エリック刑事は氷の塊に頭を挟まれて死んでしまう。Movieclips

ホフマン刑事は拘束のヒモが切れたため助かった――というのは見せかけで、もともとそういう仕掛けだった。
実は今回のゲームを行ったのはホフマン刑事であった。彼こそがジグソウの協力者であったのだった。

ジグソウ(ジョン・クレイマー)について新たに分かったこと

  • ジョンは52歳だった(検死の際の情報)。
  • ギデオン食肉工場や、都市再開発という会社を持っていた。
  • ジョンは生まれてくる子供に「ギデオン」という名前をつけようと思っていた。
  • ジョンの元妻であるジル・タックは、薬物中毒者の更正施設を経営しており、自ら医師として働いてもいる。
    ある夜、診療が終わったその施設に、患者のセシルが忘れ物の上着を取りにきた――と見せかけて強盗を働いた。その時ジルは妊娠していて、セシルが勢いよく開けたドアがお腹に当たり流産してしまう。
    この事件がジョンがジグソウとなった原因のひとつであるようだ。

    君には救えない。彼ら自身で救うしかない。
    麻薬中毒者に関して、ジョンがジルに語った言葉

  • ビリー人形はもともと生まれてくる子供へのプレゼントとしてジョンが作っていた。
  • 子供が流産してからほどなくして、ジョンはがんの宣告を受けた。その後ゲームを行うことを決意。
  • ジョンがジグソウとしてはじめに行ったゲームは、セシルへのゲームだった。腕と脚を失いたくなければ、ナイフの束に顔面を押し付けよ、というものだった。
    セシルはそれを成し遂げるが、ジョンに襲いかかろうとした所、有刺鉄線のようなものに絡みつかれて死亡。

後のシリーズで判明すること

被験者の目や口を縫っていたのはゴードン医師(『ソウ ザ・ファイナル』)。

疑問

ケリー刑事の殺害現場に落ちていた薬きょうからリッグ隊長の指紋が見つかる。ホフマン刑事がリッグ隊長をジグソウの協力者と疑わせるためにやったのだと思うのだが、それならその後リッグ隊長になぜゲームを仕掛けたのかがよく分からない(リッグ隊長の家にジグソウのゲームに巻き込まれた証拠がたくさん残っていたので、リッグ隊長はジグソウの協力者ではないとすぐに判明する)。

感想&グロ度

う~ん、なんだか話が込み入ってきました。というか構成がどんどんゴチャゴチャな感じに……。 
以降のシリーズ作も、現在のゲームが進行しつつ、ジョンの過去や、ジョンの後継者・協力者の裏事情的なことが小出しにされていくという同じようなパターンが続きます。

ジョンはこれまで「生を尊重しろ」という大義名分を掲げていましたが、セシル(子供を流産させた男)の事件が明らかになったことから、「なんだ……結局は私怨がきっかけなのか……」とちょっとだけガッカリした気分になりました。しかしよくよく考えると、『ソウ』のゴードン医師に関しても逆恨みといえば逆恨みですしね……。

それとジョンが子供にビリー人形をプレゼントするつもりだったようなのには驚きです。あの人形ってかなり不気味ですからね。小さい子供があれをもらったら泣くような気がします……。

グロ度は可もなく不可もなく(?)といった感じの星3つとしておきます。

グロ度:★★★★★


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『ソウ 5』

あらすじ

FBI捜査官のストラムはジョンの死体を見つけた後、ギデオン食肉工場の中を探索していた。すると豚マスクをかぶった何者かに捕まり、気付くとガラスケースに顔だけが入れられている状態になっていた。そのケース内に水が満ちてきて危うく窒息しそうになるが、持っていた万年筆で喉を刺し気道を確保することにより九死に一生を得た。Movieclips

その頃、ジグソウの協力者であったホフマン刑事は、監禁されていたジェフとリンの娘を救い出した英雄ということになっていた。その功績により警部補への昇進も果たした。順風満帆に思われたホフマン刑事であったが、ある時机に差出人不明の手紙が入っていることに気付く。その手紙にはこう書かれていた。

ホフマン刑事、正体は分かっている

ストラム捜査官は、ホフマン刑事がギデオン食肉工場から傷ひとつなく生還したことに疑いを持つ。彼こそがジグソウの協力者ではないのか――?
上司のエリクソンに休養するように命令された後も、ストラム捜査官は密かにホフマン刑事についての調査を続ける。

ジョン・クレイマーの元妻ジル・タックは、弁護士からジョンの遺品を受け取る。それは大きめの箱であった。ジルはジョンからもらった鍵をネックレスとして身につけていたのだが、その鍵で箱を開くことができた。
またジルは、FBIエリクソンの元に、ストラム捜査官に尾行されているようだ、と相談しにいく。
そういったことや、ホフマン刑事がストラム捜査官をジグソウの協力者だったように見せかける画策を行ったため、ストラム捜査官はFBIに疑われるようになる。

そしてストラム捜査官が独自の調査を続ける内に、またもや新しいゲームが幕を開けつつあった。

主な登場人物

ピーター・ストラムFBI捜査官。ホフマン刑事を疑い、独自でホフマンについての調査をする。
マーク・ホフマン刑事。ジグソウ(ジョン・クレイマー)の協力者だった人物。
ジル・タックジョン・クレイマーの元妻。
エリクソンFBI捜査官。ストラムの上司。

被験者

アシュレイあるマンションの火災について虚偽の報告書を書いた女性調査員。首が飛んで死亡。Movieclips
チャールズジャーナリストの男性。爆発に巻き込まれて死亡。Movieclips
ルーバ都市計画局に勤めている女性。ゲームクリアのためにブリット(同じく被験者)にバスタブに突き落とされ感電死。Movieclips
ブリット不動産開発会社の副社長である女性。マリックと2人で2.5リットルずつの血液をビーカーにためるために高速回転する歯車のようなものに腕を突っ込むというゲームに挑む。FBIのエリクソンに発見され、その時は意識があったが、その後はどうなったか不明。
マリック金持ちの息子。ジャンキー。ブリットと2人で上記のゲームに挑む。死亡?

彼らはある土地を盗んだり、マンションに放火したり……という事件に関わっていた。
実は彼らははじめから協力すれば楽にゲームをクリアすることができたはずなのだが、各人が自分だけ助かろうとしたため次々と命を落としたり、重傷を負ったりという事態に陥った。

ラストまでのネタバレ

FBIのストラム捜査官は、ホフマン刑事に関係するある新聞記事を見つける。
ホフマン刑事の妹が、恋人のセスという男性に殺されたという事件だった。
セスは殺人の罪で25年の刑を受けるが、たった5年で刑務所から出所した。
その後セスはジグソウのゲームで巨大な振り子に腹を裂かれて死亡――ということになっていたのだが、実はこれはホフマン刑事の仕業であった。ホフマン刑事がジグソウのゲームに見せかけて妹の復讐を行ったのだった。Movieclips
それがジグソウであるジョン・クレイマーに知られ、セスのことを暴露すると脅されたため、ホフマン刑事はジョンに協力するようになった。

その後ストラム捜査官はあるリストを見つける。セシル、マーク、ポール、アマンダ、ゴードンなど、ジグソウ事件の被験者になった人々の名が連なっているリストであった。ホフマン刑事が犯罪者や容疑者の情報を横流しし、その中からジョンが被験者をピックアップしたということのようだった。

ストラム捜査官がホフマン刑事を尾行すると、ホフマン刑事はある建物に入っていった。ストラム捜査官も侵入し、そこでガラスの破片が中に敷き詰められているガラスケースを見つける。その背後から、今まさにホフマン刑事がストラム捜査官を襲おうとしていた――それに気付き、そうはさせるかと逆にホフマン刑事をガラスケースに閉じ込めるストラム捜査官。

しかし実はそれが罠であった。ホフマン刑事が入ったガラスケースは床に潜っていき、ストラム捜査官がいる部屋の壁が動き始めた。実はガラスケースに入った者が助かる仕組みであったのだ。
部屋の壁が徐々に押し迫ってくる。ストラム捜査官は最後の最後まで抵抗を見せるが、やがて部屋の壁に押し潰されて死亡する。

後のシリーズで判明すること

  • ジルがジョンから鍵をもらったのは『ソウ 3』のジェフとリンの事件の直前。ジルがジョンにギデオン食肉工場に会いに行った。アマンダがジョンの車椅子を押していたので、ジルはこの時アマンダとも会っている。(『ソウ 6』)
  • ホフマン刑事に「正体は分かっている」という手紙を書いたのはゴードン医師。(『ソウ ザ・ファイナル』)

疑問

ホフマン刑事は、ジョン・クレイマーに「セスのことをバラすぞ」といわれてしぶしぶ協力しだしたはずなのだが、『ソウ 4』や『ソウ 5』のゲームを行ったのはなぜなのか。

ジョン・クレイマーに命令されていたにしても、ジョンは既に死亡しているので、無視してもよかったのでは。殺人の快楽に目覚めてしまったのか? それとも、もしもアマンダの他に後継者のような人物がいたら、きちんとジョンの命令を遂行しないとそいつが殺しにくる――という可能性を考えて命令に従ったということなのだろうか。

『ソウ 5』のゲームは、自分を疑っているらしいストラム捜査官をジグソウの協力者だとFBIや警察に思わせるためにやった、という意味もあるのだろうか。

感想&グロ度

主にホフマン刑事がなぜジグソウに協力するようになったのか――という経緯が描かれていました。
これがなきゃないで「なぜホフマン刑事はジグソウに協力したのだ?」となるのでやはり説明せざるを得ないのでしょうが、それを知った所でなんだか「ああ、そう……」という感じではありました。

これでゲームの内容が趣向を凝らしたものであったらまだよかったのでしょうが、それほど目新しいと思えるものはなく、被験者の人々も特に物語の根幹に関わる訳ではないので、わざわざ1本の映画にしなくてもよかったのでは……、『ソウ 4』か『ソウ 6』にホフマン刑事の過去パートを入れればよかったのでは……という気がします。

グロ度は中途半端な星3つとしておきます。

グロ度:★★★★★


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『ソウ 6』

あらすじ

ホフマン刑事の罠にはまり、FBIのストラム捜査官は殺されてしまった。ストラム捜査官の体は紙のようにペシャンコに潰されたが、片腕だけが唯一残っていた。ホフマン刑事はそれを取っておき、その指紋を新たなゲームの現場に残しておくことにした。ストラム捜査官が死んだことは誰も知らないので、これにより行方不明になったストラム捜査官がやはりジグソウの協力者であった、と見せかける作戦であった。

同じ頃、負傷していたFBI女性捜査官のペレーズが捜査に復帰した。彼女は上司のエリクソンと共に、ストラム捜査官が本当にジグソウの協力者であるのかを調べ始める。

ジョン・クレイマーの元妻、ジル・タックが受け取った遺品の箱の中には、1~6と書かれた封筒が入っていた。その内の5つの封筒をジルはホフマン刑事に渡した。封筒の中にはまた新しいゲームの被験者の資料が入っていた。ホフマン刑事はゲームを開始する。

また、ホフマン刑事に「ジル・タックに会いたい」と接触してくるパメラという女性が現れる。パメラは報道記者で、何かジルに見せたいものがあるという。
パメラはジルを訪ね、ジョンの死亡現場で見つけたという手紙(ホフマン刑事からアマンダへの手紙――内容については『ソウ 3』を参照)をジルに渡す。パメラはその帰りに何者かに拉致される。

主な登場人物

マーク・ホフマン刑事。ジグソウの協力者だった。ジグソウの死後もなぜかジグソウの遺言におとなしく従いゲームを遂行している。
ジル・タックジョン・クレイマーの元妻。ジョンからの遺品を受け取る。中に入っていた6通の封筒の内、5通をホフマンに渡す。
ペレーズFBI捜査官である女性。死んだストラムとはコンビを組んでいた。
エリクソンFBI捜査官。ストラムとペレーズの上司。

被験者

シモーネ金貸し業者。どれだけ自身の肉を捧げられるかを競わされる。小太りのエディは腹の肉をそぎ落とし少しずつ秤に乗せていくが、シモーネは自分の片腕をナイフでぶった切り大逆転勝利を収める(エディは死亡)。Movieclips
シモーネはその後の『ソウ ザ・ファイナル』にも少し出演している。
エディ

ウィリアムのゲームの被験者

ウィリアム保険屋。ジョンの病気の保険金をなんだかんだと理由をつけて支払わなかった。手足に爆弾をセットされ、その鍵を入手するためにゲームを行っていく。
ハンクウィリアムの保険会社の用務員。呼吸をしたら駄目というゲームで思いっきり呼吸をしてしまい死亡。Movieclips
アディとアレンアディはウィリアムの秘書。アレンは同じ会社の文書整理員。秘書は中年女性で糖尿病の家系、アレンは若く健康な男性である。ウィリアムはこの2人の内どちらを生かすか選べといわれる。ウィリアムは2人と何の関係もなければアッサリ中年の秘書を切り捨てただろうが(保険の仕事で散々そういうことをしてきた)、知人だとそう簡単に割り切れず、関係の近い秘書のアディを選んだ。アレンは死亡。Movieclips
デビー保険会社の法務担当者の女性。アツアツの迷路を走らされる。ゲームに失敗し、胸につけられた装置に貫かれて死亡。Movieclips
ウィリアムの6人の部下メリーゴーランドのような装置に縛られている。ウィリアムが選んだ2人以外は銃殺される。Movieclips

ウィリアムのゲームの場所で捕われている人々

タラとブレント母タラ、息子ブレントの母子。同じ牢屋に捕われている。
パメラ・ジェンキンス報道記者の女性。上の母子と少し離れた牢屋に捕われている。

パメラは保険屋ウィリアムの妹であった。

タラの夫、ブレントの父であった男性は、ジョンと同じようにウィリアムに保険金の支払いを拒否され、病気で亡くなってしまった。2人はウィリアムを恨んでいた。

数々のゲームをやり遂げ、なんとかゴールにたどり着いたウィリアムであったが、ゴールにはタラ母子と妹パメラがいた。
そこでタラ母子にウィリアムを殺すかどうかの選択権が与えられる。
母のタラは、いくら憎い相手といえども殺人を行うのには抵抗があり、ウィリアムを殺すことはできない。
しかし息子のブレントがあっさりとウィリアムを殺す選択を下す。
ウィリアムは妹のパメラの目の前で、HF(フッ化水素酸)という強力な酸で体を内側から徐々に溶かされ、最後は上半身と下半身が真っ二つに割れて死亡する。

ラストまでのネタバレ

FBIのペレーズとエリクソンは、ストラム捜査官の指紋がおかしい――指紋がついた時にはストラム捜査官は既に死んでいたのでは? と気付く。
そのことや、新たなジグソウからの音声を分析し、声を変質させる前の元の音声を割り出すことができそうだ、とホフマン刑事に話す。
3人は連れ立って音声分析所に向かう。

音声分析所では、今まさに新たなジグソウの元の音声が再生されようとしていた。その声はホフマン刑事のものだった……!
ホフマン刑事はエリクソン、ペレーズ、そして音声を分析していた女性をナイフで次々と殺し、念のためストラム捜査官の指紋を所々につけておいてから、建物に火をつける。

ウィリアムのゲームが行われている建物で、ホフマン刑事とジルは対峙する。ジルがホフマン刑事に渡さなかった6番目の封筒には、ホフマン刑事の資料が入っていた。ジョンはジルにホフマン刑事を殺すよう遺言したのだった。

封筒と共に箱に入っていた逆トラバサミをホフマン刑事にセットするジル。しかしホフマン刑事は器具をドアに挟むことによりどうにか破壊し、口が少し裂けたもののなんとか生き延びた。

後のシリーズで判明すること

ジルが遺品の箱に入っていた小包を病院に届けるシーンがあるが、その中身はジョンのビデオメッセージで、受取人はゴードン医師だった。(『ソウ ザ・ファイナル』)

疑問

ジルはジョンの「ホフマンを始末しろ」という遺言を実行するかどうか迷っていたようですが、パメラが渡した「ホフマン刑事からアマンダへの手紙」を読んで、アマンダがホフマン刑事にはめられたことを知り、アマンダの敵討ちという意味もあって決意を固めた、ということなのでしょう(アマンダはジルの元患者であったので)。

しかしその手紙により、自分が流産した原因である事件にアマンダが関わっていたことも初めて知ったはずなので、それについて何か感じることはなかったのでしょうか。その辺の描写は何もなかったような……。

感想&グロ度

『ソウ 4』『ソウ 5』がちょっと中だるみした感があったのですが、『ソウ 6』はなかなか楽しめました。
主な被験者であるウィリアムは、ジョンの保険金の支払いを拒否した人物ということで、これもゴードン医師の時と同じようにジョンの逆恨み的な犯行(実行犯はホフマン刑事ですが)という訳ですね。

セシル(子供を流産させた男)⇒ その他もろもろ ⇒ ゴードン医師(自分の診察をおざなりにした人)⇒ その他もろもろ ⇒ 保険屋のウィリアム(自分の保険金の支払いを拒否した人)

という感じで、私怨の間にその他もろもろのゲームを挟んでいます。私だったらまず私怨を片付けてからその他もろもろに取りかかってしまいそうですが、これは自分に容疑がかかりにくくするための目くらましなんでしょうか。
それともアマンダなどに「こいつ、生命を尊重だとかなんだとかご大層なことをいっている割には、結局は自分が恨んでいる相手を殺していってるだけじゃん……」と思われないためにこういった順番で行うことにしたのでしょうか(どちらにしろちょっとせせこましく感じてしまう……、いや、その他に順番を決めた重要な要素があったのかもしれませんが……)。

ペシャンコになってしまったストラム捜査官の死体と、酸で溶けたウィリアムの死に様が凄まじかったのでグロ度は星4つで。

グロ度:★★★★


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『ソウ ザ・ファイナル』

あらすじ

物語は『ソウ』のゴードン医師が這いつくばって逃げるシーンから始まる。ゴードン医師は切った足の切断面を焼き、止血したことにより生き延びた。そしてその後……。

ホフマン刑事はジルがセットした逆トラバサミのトラップからどうにか逃れ、唇を負傷したため自分で唇を縫う。その後自分がジグソウの協力者であったという証拠となるような写真などを焼く。

ジルはホフマン刑事へのトラップが失敗したのを見てとり、慌てて逃げる。その後、警察の内務調査課のマット・ギブソンという人物に、ホフマン刑事がジョンの協力者だとバラす。そしてその情報を与えたので自分の身を守ってほしいと訴える。

その頃、一躍スターとなったボビー・デイゲンという男性がいた。ジグソウのゲームに参加したが生き残り、その時の経験を書いた本を出版した所、大反響が起こったのだった。しかしボビーにはある秘密があった。
ボビーは「ジグソウ 生還者の会」の後に何者かにさらわれ、ゲームに参加させられる。

主な登場人物

マット・ギブソン内務調査課の刑事。ホフマン刑事を追う。
マーク・ホフマンジグソウの協力者だと警察に知られたのにそれでもゲームを行う律義者。
ジル・タックジョン・クレイマーの元妻。ジョンの遺志を継ぎ、ホフマンを殺そうとするが失敗。ホフマンの復讐に怯える。
ボビー・デイゲンジグソウのゲームから生還し、その経験を書いた本を出版した。生命や家族の大切さを人々に説き、感動を与えている。

「ジグソウ 生還者の会」の参加者

シドニー落下すると回転する刀だらけの部屋で、アレックスという恋人と懸垂しながら勝負。シドニーがアレックスを突き落とし無事生き残った。シドニーはアレックスにDVをされていたという。
シモーネ『ソウ 6』で腕を切り落とした女性。ボビーは「生命や家族の大切さを知った」と自分の経験を美談に仕立て上げているが、そのボビーにシモーネは「綺麗ごとをいうな」と食ってかかる。
ローレンス・ゴードン『ソウ』でゲームに参加させられた医師。今作でその後どうにか生き延びていたことが判明した。「ジグソウ 生還者の会」にテレビの撮影隊を引き連れてきたボビーに向かって、「君のプロモーションビデオに出演できてうれしいよ」とイヤミをいう。

被験者

三角関係の男女

ブラッド(男性)女性が男性2人を弄んでいた。男性2人は協力して、女性を犠牲にして自分たちは助かることにする。寝そべっているような姿勢で宙吊りになっている女性はチェーンソーに腹をかっさばかれ、内臓をぶちまけて死亡。Movieclips
ライアン(男性)
ディナ(女性)

人種差別主義者たち

エヴァン車のシートに強力な接着剤で背中をくっつけられている。仲間たちを救うために、30秒以内にフロントガラスの傍にあるレバーを引く必要があるが、背中がなかなかはがれない。時間切れで仲間死亡、自分も最終的に暴走する車から放り出されて死ぬ。Movieclips
カーラ車の下敷きになり死亡。
ダンエヴァンの乗った車が暴走し、その車に両腕を引っこ抜かれて死亡。
ジェイク車に突っ込まれて死亡。

ボビー・デイゲンのゲームの被験者

ニーナボビーの広報担当の女性。彼女の胃の中に、彼女を解放する鍵が口から吊るされている。彼女が声を出すとトラップが作動し、鋭いパイプ数本が彼女に迫る仕組み。ボビーは彼女の口から鍵を取り出そうとするが、ニーナはギャーギャー騒いだことによりパイプが喉に刺さり死亡。Movieclips
スーザンボビーの弁護士である女性。ボビーは自分の足を傷つけてまでスーザンを救おうとするが、スーザンの目に鋭いパイプが刺さり死亡。Movieclips
ケイルボビーの友人。床が抜けた部屋に目隠しされて立たされている。装置の鍵の入手に失敗し、宙吊りになって死亡。
ジョイスボビーの妻。モニターの映像から、どこかに監禁され鎖に繋がれていることが分かる。

ボビーは実は嘘をついていて、ジグソウのゲームに参加したことはなかった。本の内容は全てでっちあげだったのだ。
妻のジョイス以外の人は、そのことを知りながらボビーをスターに祭り上げたのだった。

ボビーは妻のいる部屋に入るために自らの上奥歯を2本ペンチで引っこ抜いたり(部屋の鍵のナンバーが書いてあるので……もちろん麻酔などはなし)、妻を救うために、胸にフックを刺し鎖を上るというでっちあげだった体験を実際に行うことになるのだが、作られた物語のようにうまくはいかずゲームに失敗、妻はボビーの目の前で潜水艦のような装置に閉じ込められ丸焼きになる。

ラストまでのネタバレ

ジルはマット刑事に匿われていたが、ホフマン刑事に居場所を突き止められてしまった。マット刑事はジルの身柄を、もっとも安全と思われる警察の留置場に移すことにする。
ホフマン刑事はマット刑事に、ジルを渡せば現在行っているゲーム(ボビー・デイゲンのゲーム)は即刻中止するというメッセージの入ったDVDを送ってくる。マット刑事はその取引には応じない。DVDからホフマン刑事がいる場所を割り出そうとする。

実はマット刑事は以前ホフマン刑事に命を救われたことがあった。マット刑事が警官だった頃ホームレスに襲われたことがあったのだが、そのホームレスをホフマン刑事が射殺した。
マット刑事はそれをやりすぎだと思い、命を救われたにもかかわらずホフマン刑事を内部告発した。結果、ホフマン刑事は昇進し、マット刑事は左遷された。
その後マット刑事は内務調査課に勤務するようになり、ホフマン刑事の部下3名を逮捕した。2人には少なからぬ因縁があったという訳だった。

マット刑事はホフマン刑事がいる場所を探し当てるが、ホフマン刑事はもうそこにはいなかった。その頃、人種差別主義者たちが殺された車の工場で爆発が起き、警察が多数その現場に駆り出される。マット刑事もそちらに向かう。
マット刑事は車の工場に隠し部屋を見つけるが、それはホフマン刑事の罠で、マット刑事はその部屋で自動で動くマシンガンに撃たれて数人の警官たちと共に死亡する。

ホフマン刑事は死体のフリをして手薄になった警察署に入り込み、次々と警官を殺しつつ留置場でジルを見つける。ジルは逃げるが最終的には捕まり、ホフマン刑事に使った「逆トラバサミ」のトラップを今度は自分がつけられ、顔面を破壊されて死亡する。Movieclips

復讐を果たしたホフマン刑事は、満足したのかアジトを燃やしようやく逃亡に取りかかる。
しかしそこに豚マスクをつけた3人の男が現れスタンガンで失神させられた。

男の内の1人はゴードン医師であった。ゴードン医師は『ソウ』で足を切った後、ジョンに助けられていた。その後ゴードン医師は主に医療的な面でジョンのゲームのサポートを行っていた。
ジルはマットに相談に行く前に、ゴードン医師の部屋にあるビデオを投函していた。そこにはジョンが映っており、「ジルに何かあったら私の代わりに行動してくれ」とゴードン医師に頼んでいた。
ジルがホフマン刑事に殺されたことを知ったゴードン医師は、そのジョンの頼みをきいて、ホフマン刑事を始末しにやってきたのだった。

ゴードン医師はホフマン刑事を『ソウ』のバスルームに連れて行く。ホフマン刑事が目覚める。左足が鎖で繋がれている。
ホフマン刑事はノコギリを手に取ろうとするが、ゴードンはノコギリをバスルームの外に投げてしまう。
そして電気を消して、ドアを閉めて出て行く。ホフマン刑事は暗いバスルームにただ1人取り残された。Movieclips

ジグソウ(ジョン・クレイマー)について新たに分かったこと

ジョンは生前、ボビー・デイゲンのサイン会に訪れていた。間違っていないか? 嘘をついていないか? とボビーに尋ねていた。

疑問

  • ジルはマット刑事とホフマン刑事の因縁を知っていて、マット刑事に自分の身を守るように相談しに行ったのだろうか?
  • ボビーの奥さんのジョイスは何も悪いことをしていないのに(ボビーが嘘をついていたことも最後にボビーに打ち明けられるまで知らなかった)殺される。対してボビー自身は生き残った?
  • ゴードン医師と一緒にホフマン刑事を襲った2人は誰なのか?⇒三角関係で生き残った男性2人(ブラッド&ライアン)らしい。

    According to the audio commentary of Saw 3D, Brad and Ryan were supposed to be the two pig-masked men who assisted Dr. Gordon in the abduction of Hoffman at the end of the film.
    Saw Wiki

感想&グロ度

ゲームの内容がなんだか似たり寄ったりで、ネタ切れ感が強いです。
ジルが先端が尖った滑車に突っ込まれて八つ裂きに……!Movieclips という場面があり、それにはちょっと「おおっ」となったのですが、それはジルの夢だった、というオチ……。このくだりいりますかね……?
それと、新キャラ・マット刑事とホフマン刑事の因縁だとかも、この期に及んで……もうそういうのいいのでは……という感じがありました。

人種差別主義者へのゲームは警察をおびき寄せるため、ボビーのゲームは「ジルの身柄を引き渡す代わりにゲームを止める」という取引条件のために行われたのだと思いますが、そんなことしてないでホフマン刑事はとっとと逃げたほうがよかったのでは……。どうしてもジルに復讐したかったということなんでしょうかね(まァでもジルを放っておいたら、また自分を殺しにくる可能性もありますしね……)。

ゴードン医師に関しては、『ソウ 2』の被験者の目に鍵を仕込んだとか、『ソウ 3』のリン(女医)をジョンに紹介したとか、『ソウ 5』でホフマン刑事に「正体は分かっている」という手紙を書いただとかいうことが明らかになるのですが、その時にちょこっとでも「片足の不自由な男」の姿が映っていれば……という気がします。

そういったことが何もなかったので(私が見落としていたのだとしたら申し訳ないですが)いきなり感が強く、製作者側からすればもともと考えていた設定だとしても、観客側からすれば「そんなのは後でこじつければどうにでもなるのでは……」と思えてしまうというか。ゴードン医師に限らず、実はタップ元刑事が生きていた、ジェフが生きていた、アート・ブランクが生きていた――とかなんでもできそうっちゃできそうかなと。

しかしソウシリーズで「片足の不自由な男」というとどうしてもゴードン医師のことが浮かんできてしまうので(エリック刑事も足を潰していましたが、エリックは氷の塊に頭を砕かれてしまったので、あれ以後「実は生きていました」はさすがに無理がある)、そのヒントを事前に出していたら、「だと思った」という感じになって、『ソウ ザ・ファイナル』での驚きは半減してしまいますからね……。製作者の方たちは、観た人にはちょっと唐突に感じられるかもしれないけれど、あえて驚きの方を選んだ、ということなのでしょう。

斬新な死に方はあまりありませんでしたが、冒頭の内臓ぶちまけや、(夢とはいえ)ジルの八つ裂き、『サンゲリアR』を彷彿とさせる眼球パイプ串刺しシーンなどがあったのでグロ度は星4つで。

グロ度:★★★★


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ソウシリーズの主要な出来事を時系列順に並べると

  • ジョン・クレイマー(ジグソウ)、ジル・タック夫妻の子供が麻薬中毒者セシルによって流産させられる。その時アマンダはセシルと一緒にいた。
  • この前後にジョンはジルと離婚。
  • ジョンががんの宣告をされる。ジョンは自殺を試みるも死ねないので、生命を尊重しないものをゲームにかけていくことにする。
  • ジョンはセシルをゲームにかける。
  • ホフマン刑事が妹を殺したセスをジグソウの仕業に見せかけて殺す。それがジョンにバレてジョンに協力するようになる。
  • ポール、マーク、アマンダなどのゲームが行われる。アマンダは以後ジョンを崇拝し協力するようになる。
  • ゴードン医師、アダムのゲームが行われる。
  • ジョンはゴードン医師を助ける。以後ゴードン医師はジョンに協力するようになる。アマンダはアダムを殺す。
  • アマンダの武者修行として『ソウ 2』のゲームが行われる。
  • 『ソウ 2』から半年くらい後、『ソウ 3』ジェフのゲーム、『ソウ 4』リッグ隊長のゲームがほぼ同時進行で行われる。
  • 以降『ソウ 5』『ソウ 6』『ソウ ザ・ファイナル』に続く。

全体的な感想

シリーズを通して観ると、なかなかよくできた話だな……と思います。思うのですが、いかんせん作品が多すぎる……!
頑張ってギュッと濃縮したら3作品くらいにまとまったのでは、という気がします。

映画としてよくできているのはやはり『ソウ』かと思います。ただ「ちょいグロ好き」としてはグロ度がちょっと物足りなかったりして……。
ちょいグロ好きとしておすすめするなら『ソウ 3』『ソウ 6』でしょうか(といいつつ『ソウ 3』で飽きて一旦観るのをやめた私ですが……)。

結論としては……ABEMAで無料で視聴できてよかった、グロ好きでなければ『ソウ 2』以降は観なくても大丈夫――という感じです。

という訳なので、実はこれ以降にも『ジグソウ:ソウ・レガシーa』というシリーズ作があるのですが(7作目で『ファイナル』と銘打っているのに……)、その内ABEMAやGYAOあたりで無料で観ることができる機会があったら観てみようかなァくらいの心持ちです。
ちなみに冒頭でも書きましたが、Amazonプライムa会員の方は、パート1以外のソウシリーズaを追加料金なしで鑑賞できます。

それと、「実はこの人が後のシリーズにちょこっと出演していた」というような小ネタがちょいちょいあるようなのですが、あまり重要そうでないものはこの記事では触れていません。
そういったことも含めて、『ソウシリーズ』についてくまなく知りたい! という方は、Saw Wikiなどをご覧ください。

シリーズ各作品 グロ度まとめ

『ソウ』★★★★
『ソウ 2』★★★★★
『ソウ 3』★★★★
『ソウ 4』★★★★★
『ソウ 5』★★★★★
『ソウ 6』★★★★
『ソウ ザ・ファイナル』★★★★

(個人的な感想です)

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