2019年3月に乳がんの手術を受けまして、その後術後治療として、7月~9月に抗がん剤治療(ドセタキセル+ハーセプチン)を受けました。
この記事では、ドセハー(3週間ごと4クール)を受けた時に起こった副作用(脱毛、便秘、骨髄抑制など)や、実際にかかった費用について書いてみようと思います。
副作用
副作用については相当個人差があるようです。ドセタキセルの代表的な副作用として「しびれ」がよく挙げられているのですが、私はこの症状は出ませんでした。同じくよく挙げられている「むくみ」も、下半身が少しむくんでいるかな……くらいの症状で済みました。
その他私が経験した副作用は下記になります。
骨髄抑制
EC療法と同様、骨髄抑制といって免疫力が下がる症状が出たので、ジーラスタという注射をドセタキセル投与から2日後に打っていました。
EC療法の4クール目で、ジーラスタを打っているにもかかわらず高熱が続くという散々な目にあったのですが、幸いドセタキセルではそういうことはなかったです。
便秘
EC療法の時もなったのですが、ドセタキセルでも投与後1週間くらいは便秘に悩まされました。ECの時からの便秘で肛門が限界を迎えたのでしょうか、3クール目あたりでついに切れ痔を発症してしまいました……。
しばらく血が出たり痛みがあったりしたのですが、ファイブミニを飲んだりさつまいもを食べたりしてなんとか乗り切りました。現在はもう大丈夫……のはず(1度治ったと思ったらぶり返したのでまだちょっと怖い……)。
病院で便秘薬も処方されていたのですが、飲むのになんとなく抵抗があって私は食品で便秘対策をしていました。おとなしく便秘薬を飲んでいれば切れ痔にならずに済んだのかもしれません……。
味覚障害
EC療法ではほとんど感じなかった味覚障害がドセタキセルでは出ました。
3クール目~4クール目あたりでは、薄味の食べものの味がよく分からなかったり、口の中が常に苦いような感じがあったりしました。それほどひどくはなかったのですが、やはり食欲は少し落ちました。
ドセタキセルの最終投与から3週間くらいしたらほとんど元通りの味覚に戻りました。
食べものが飲みこみづらい
ドセタキセルの投与後1週間くらい、食べものが飲みこみづらい時がありました(途中でつっかえてしまうような感じ)。
2週目~3週目になると治りました。
倦怠感
EC療法の時は、投与してから1週間くらいはだるくて、2週間目~3週間目は割と普通に過ごせていたのですが、ドセタキセルは回数を重ねるにつれて地味にだるさが増していく感じがありました。
ドセタキセルの4クール目はかなりだるかったですが、それでも布団から起き上がれないとかそういったことはなかったです。
筋肉痛のような痛み
1クール目でかなり腰が痛くなって鎮痛剤をのみました。薬をのむほどの腰痛が出たのはその時のみで、その他はたまに腕や足などが軽く痛むくらいで済みました。
脱毛
EC療法でほとんどの毛が抜けたのですが、少し残っていた眉毛、まつ毛が全て抜けました。その他の毛は増えもせず、減りもせず……といった感じでした。
生理は止まりっぱなし
EC療法の途中で生理が来なくなりました。ドセタキセルに変わってからも引き続き生理は止まりっぱなしでした。
皮膚が黒ずむ
アキレス腱のあたりと、股のつけねが黒ずみました。保湿クリームを塗っていましたが、ドセタキセル投与中はあまり効果はなく……。現在最終投与から一か月ほど経ちますが、黒ずみはほとんどなくなりました。
かかとの皮膚がめくれる
4クール目にかかとの皮膚がめくれました(両足)。皮膚が厚いからか全く痛みはなく、お風呂上がりに保湿クリームを塗ろうとした所気付きました。
手の爪に横線が入る
手の爪に横線が入りました。触り心地もちょっとボコボコしていました。
左足の小指の爪が黒くなる
左足の小指の爪がいつの間にか真っ黒になっていました。これも全く痛みがなかったので、気付いた時にはギョッとしました。
ドセタキセル最終投与から1ヶ月ほど経ちますが、現在でもまだ黒いままです。これは恐らく爪が生え変わるのを待つしかないのだと思います。
追記:指のこわばり
ドセタキセル最終投与から1ヶ月ほど後に、起床時に指がこわばっているという症状が出始めました。それから更に2ヶ月ほど経った現在でもその症状はまだ続いています(起きて活動している内にほとんど治まります)。
これは卵巣機能の低下によるホルモンバランスの乱れが原因のようです。しばらくすると治るらしいので、もう少し様子を見ようと思います。
費用
抗がん剤の金額は体重により変わります。私の体重は37~40キロくらいです。
1クール目
1回目ドセタキセル+ハーセプチン(1泊2日の入院) | 80,510円 |
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診察 + グラン(好中球数などが落ちたため注射) | 3,170円 |
2クール目
2回目ドセタキセル+ハーセプチン | 32,950円 |
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吐き気止め(デカドロン、ノバミン) | 460円 |
ジーラスタ(好中球数などを下げないための予防注射) | 11,450円 |
自己負担限度額の軽減が発動したようで(直近12ヶ月の間に高額療養費の支給を3ヶ月以上受けた場合に該当……3ヶ月は連続していなくても可)、通常なら3万円以上かかるジーラスタをだいぶお得に受けることができました。
3クール目
3回目ドセタキセル+ハーセプチン | 0円 |
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吐き気止め(デカドロン、ノバミン) | 460円 |
ジーラスタ(好中球数などを下げないための予防注射) | 0円 |
2クール目と同じ月に受けたため、ドセハー+ジーラスタが0円に……! これはかなり助かりました。
4クール目
4回目ドセタキセル+ハーセプチン | 32,710円 |
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吐き気止め(デカドロン、ノバミン) | 460円 |
ジーラスタ(好中球数などを下げないための予防注射) | 11,690円 |
4クール目も自己負担限度額の軽減のおかげで、ジーラスタのお値段がだいぶ安く済みました。
合計
ドセタキセル+ハーセプチン 4クール | 146,170円 |
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ジーラスタ(好中球数などを下げないための予防注射) | 23,140円 |
グラン(好中球数などを上げるための注射) | 3,170円 |
吐き気止めなどの薬代 | 1,380円 |
合計 | 173,860円 |
本当なら3回で10万円近くするはずのジーラスタが、高額療養費制度のおかげで2万円ちょっとになったのでありがたいです。
吐き気止めなどの薬代はEC療法よりだいぶ安く済みました(薬の数が減ったため)。
ドセタキセル+ハーセプチンの金額の内、大体3分の1くらいがドセタキセルの値段です。
EC療法とドセハーであわせて半年近くかかりました。高熱が出たりだるかったりとつらいこともありましたが、終わってみればあっという間という感じでした。
この記事がこれからドセタキセルを受ける方のご参考になりましたら幸いです。
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