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ショーペンハウアー名言集

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厭世的な哲学者・ショーペンハウアーの個人的に好きな名言(と私が感じる言葉)を集めてみました。また、引用されている文章にも名言が多いので、それも一緒に載せておきます。

意志と表象としての世界

すでに意志を否定し、意志を転換し終えている人々にとっては、これほどにも現実的にみえるこのわれわれの世界が、そのあらゆる太陽や銀河を含めて――無なのである。
ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』

訳注によると、これこそまさしく仏教の「般若波羅蜜多――一切の認識を超えた世界」であるとのこと。ショーペンハウアーは仏教にかなり影響を受けていたようです。

人間の人生は、だからまるで振子のように、苦悩と退屈の間を往ったり来たりして揺れている。じつをいえば苦悩と退屈の双方は、この人生を究極的に構成している二部分である。
ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』

後に出てくる『孤独と人生a』にも似たような言葉があります。ショーペンハウアーが生きていた時代よりは、現代はもう少し楽しいことが増えているかもしれませんが……しかしそれすらも、ショーペンハウア―なら「仮象」とバッサリ切り捨てそうな気もします。

引用

知識を増すものは苦痛をも増す
『伝道の書(一・一八)』


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私は『世界の名著〈続 10〉ショーペンハウアーa』を図書館で借りて読んだのですが、中公クラシックス版の方が新しいので読みやすい作りになっているかもしれません(訳者も出版社も同じなので、内容は恐らく同じはず)。

存在と苦悩

結局、勝つものは死である。なぜなら、われわれは既に生誕とともに死の所有物となったからである。
ショーペンハウアー『存在と苦悩』


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読書について

他人から学んだだけにすぎない真理は、我々に付着しているだけで、義手義足、入歯やろうの鼻か、あるいはせいぜい他の肉を利用して整形鼻術がつくった鼻のようなものにすぎないが、自分で考えた結果獲得した真理は生きた手足のようなもので、それだけが真に我々のものなのである。
ショーペンハウアー『読書について|思索』


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自殺について

今日は具合が悪い、これからは一日ごとに具合悪くなっていくだろう、――そして最後に最悪のものがやってくるのだ。
ショーペンハウアー『自殺について|世界の苦悩に関する教説によせる補遺』

世界はまさしく地獄、、にほかならない。そして人間は一方ではそのなかでさいなまれている亡者であり、他方では地獄の鬼である。
ショーペンハウアー『自殺について|世界の苦悩に関する教説によせる補遺』

もしも生殖の行為が慾情にともなわれた要求ではなしに、純粋な理性的考慮の仕事だとしたら、人類は一体それでもなお存続しえたであろうか。むしろ誰もがきたるべき世代に対して深い同情を感じて、なるべくなら彼らには現存在の重荷を背負わせたくはないものだと思ったり、乃至は少なくとも自分ではそういう重荷を無情にも彼らに背負わせるような真似はしたくはないと思ったりはしないであろうか。
ショーペンハウアー『自殺について|世界の苦悩に関する教説によせる補遺』

シオランも似たようなことをいっています。

この男に言ってやったものだろうか。人生の意慾せらるべきものではないゆえんをお前に教えてくれるというちょうどその点に、人生というものの価値があるのだということを?!
ショーペンハウアー『自殺について|生きんとする意志の肯定と否定に関する教説によせる補遺』


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幸福について

われわれ人間の全存在が無くもがなのものであって、これを否定し拒否するのが最善の知恵であることを知れば、どんな事物にも、どんな事態にも、大きな期待をかけることなく、この世の何ものかを情熱的に求めることもなく、何ものかを取り損ねたからといって激しく泣き悲しむこともない。
ショーペンハウアー『幸福について』

われわれ人間の最大の楽しみは、人から讃えられる、、、、、ということだ。けれども讃える人は、あらゆる条件が揃っていても、なるべく讃えたくないのが本音だから、自分で自分を心から讃える境地に何とでもして辿りついた人が一番幸福なのだ。ただ、他人に横槍を入れられないようにする必要がある。
ショーペンハウアー『幸福について』

孤独はおよそ優れた人々の運命的な持分なのだ。こうした孤独に彼らは長嘆息を覚えることもあろうが、しかし必ず二つの災厄のうちではまだ軽いほうとして、孤独を選ぶであろう。
ショーペンハウアー『幸福について』

二つの災厄=孤独か、社交か。優れているかどうかはともかくとして、孤独と社交をいずれも災厄と感じ、そのうち孤独の方がまだマシだというタイプの人間は確かに存在するでしょう。
ドストエフスキー『地下室の手記』の主人公がまさしくそんな感じです。

引用

賢者は快楽を求めず、苦痛なきを求める
アリストテレス

エピクロスの快楽主義もこのような感じです。


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孤独と人生

きわめて不幸にならないためのもっとも確実な手段は、あまり幸福になるよう求めないことだからである。
ショーペンハウアー『孤独と人生』

確かに、「自分はもっともっと幸せになれるはず」と躍起になるより、「まァ人生こんなものかなァ」と思う方が心穏やかに過ごせそうです。

なぜならきわめて不幸だということが、すこしも珍しくないのに反して、たいへん幸せということはむずかしいばかりではなく、まったく不可能だからである。
ショーペンハウアー『孤独と人生』

おのれ自身に非常に多くのものをそなえているため社交を必要としないということは、すでに大きな幸せである。
ショーペンハウアー『孤独と人生』

主観的あるいは客観的条件によってやむなく接触する他人の数が少なければ少なくなるほど、その人はますます幸福となる。
ショーペンハウアー『孤独と人生』

この世ですばらしいとされているもののほとんどすべては、劇場の装飾のようにたんなる仮象であり、内容のない存在である。
ショーペンハウアー『孤独と人生』

なんぴとも完全におのれ自身であること、、、、、、、、、、、、、が許されるのは、その人が一人でいるときだけである。したがって孤独を愛さないものは、自由をも愛していない。
ショーペンハウアー『孤独と人生』

だれでも一般にはおのれ自身とだけもっとも完全に協調することができる、、、、、、、、、、、、、、、、、。友人や恋人とも完全にそうなるわけにはゆかない。
ショーペンハウアー『孤独と人生』

この世の中では、どこにいってもあまり多くを得ることはできない。災いと苦痛がこの世を満たし、これを脱却できても、あらゆるものかげで退屈が待ち伏せしている。
ショーペンハウアー『孤独と人生』

引用

死亡の日は誕生の日よりもましだ
『旧訳聖書外伝 伝道の書(七、二)』

人間の営みについては、どれもきわめて熱心になる価値はない
プラトン

われわれの災いのすべては一人でいることができないことから生ずる
ラブルュイエール

われわれはこの世に生まれてきたとき見たのと同じ、愚劣な悪い状態のままにこの世を去ってゆくであろう。
ヴォルテール


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幸福についてa』と『孤独と人生a』は同じ内容のはずなのですが(原題は『生活の知恵のためのアフォリズム』)、『孤独と人生』の方が私の琴線に触れる文章が多かったです。

あとがき

主著とされている『意志と表象としての世界a』は前半部分が長くて難しいのであまりピンとこず……。ただご本人は「これ以上は短くできなかった」というようなことを仰られていたので、再度読めばもう少し理解が深まるのかも……? 実際「この本は二回読め」とも書いてありましたし(といいつつあまり再読する気にはなれないのが本音ですが……)。

私は『意志と表象としての世界』より他の本の方が読みやすく、内容にも断然惹かれるものがありました(特に『孤独と人生a』)。
孤独でいいんだよ、というかむしろ孤独がいいのだ、と言い切っているのが、友人が少ない私のような人間には励みになります。時代が進むにつれて人と人との関わりはますます希薄になっていくでしょうから、共感する人も次第に増えるかもしれません。時代がやっとショーペンハウアーに追いついてきた――ということなんでしょうかね(適当)。