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支払督促こぼれ話

time 更新日:  time 公開日:2008/12/16

支払督促申立書の書き方(見本あり)、注意点など【実体験】
支払督促申立書の書き方(見本あり)、注意点など【実体験】

今記事は上記の後日譚です。

支払督促申立書などを郵送して1週間ほど後、「支払督促発付通知」という書類が届きました。
とりあえず申立書はうまいこと受理されて、債務者宛に支払督促を送ったよというお知らせです。

で、ちゃんと相手に届くのかしら――とドキドキ待っていた所、5日ほどして、「送達結果のご連絡」というハガキが来ました(ここで自分宛ての官製はがきが使われるのですね)。

そこに書いてあったのは、

宛所尋ね当たらず

という文章でした。

アテドコロタズネアタラズ……?
何だかよくわかりませんが、とにかく相手にはキチント届かなかったらしい。

裁判所に電話して「これはどういう意味ですか」と訊いてみた所、郵便局員が配達するので詳しくはわからないが、とにかくそこには誰も居なかったようだ、とのお答え。
これは未払い客が引っ越してしまったということなのか……。

とにかく、期限までに相手の居所を調査して、「再送達上申書」というものを作成すれば、改めて支払督促を債務者に送付するとのことでした。

警察に相談してみる

これはどうしたのものか……とてんで見当がつかなかったので、思い切って最寄の警察署に相談に行きました。
すると、「お客でなく店がダマされることもあるんだねー」と珍しがられ、同情されはしたものの、相手の引っ越し先を調べるとかそういった探偵じみたマネは警察では出来ない、とのお答え。

まァやっぱりそうだろうなァと席を立とうとした所、「世の中いい人ばっかりじゃあないんだから、後払いはやめた方がいいよ」とのアドバイスを頂きました。
ハハハハなんつって、顔で笑って心で泣いてとは正にこのことです。

未払い客の元の住所を訪ねてみる

それからイベントシーズンに突入してしまい、どうしよう……と思いつつも製本やら何やらにかまけてこの件はズルズルと先延ばしに。

もう諦めようか、と思ったこともあったのですが、12月になって漸く時間ができ、期限はもう間近、でもやっぱりやれるだけのことはやっておこう――という訳で、12月7日、とうとう自分で未払い客の元の住所を訪ねてみることにしました

都外からなので結構な時間を食いますし、交通費を考慮するとそのまま諦めた方が経費的にはまだマシな訳ですが、お金の問題でなく何だかもう意地なのですね。

で未払い客の住所地の駅に着きまして、住宅街をウロウロ右往左往、小一時間さまよった挙句に漸く見つけた、それは、×××荘というアパート……。

しばし見上げて、ボウッとしてしまいました。私が住んでいるのも相当年代もののボロ借家なのですが、それとどっこい、否、もしかしたらそれを上回るかも知れぬという程のおんぼろ木造アパートがそこにありました。

両隣は豪邸と言ってもいい程の大きな家、それらに挟まれて、その間口の狭い、奥にひょろ長い形の敷地だけが、つげ義春チックなムードをムンムンと醸し出しているのでした。

未払い客が住んでいただろう部屋はやはり今では空き部屋になっているようでした。
ドアノブに「はじめて電気を使う前に」という説明書がぶら下がり、埃を被っていました。

帰り際、外からよくよく見れば、窓ガラスのひび割れがガムテープで補修してあるのが目につきました。
チョット、いや、大分切ない気持になりました。

それまでは未払い客のことを、ただ「憎たらしい小悪党」くらいにしか思っていなかったのですが、そのアパートを見てからは「まァ……人生、いろいろあるわなァ……」というシミジミとした心持にさせられました。
×××荘のステキに侘しいたたずまいは、見る者を思わずおセンチな気分にする程にパンチがきいているのです。

不動産屋に連絡してみる

その後、×××荘に関係している不動産会社がわかったので、ダメもとで電話をかけて担当者さんに事情を説明した所、意外にも「もし未払い客の居所がわかったら連絡する」とのお言葉を頂き、現在待っている状態です。
が、さほど期待してはいません。恐らくこのまま、再送達上申書提出の期限が訪れて、この件はオシマイになるでしょう。

ここまでやったのだから、どうせだからついでに強制執行のやり方なんかも知りたかったという思いもないではないですが、とりあえず現時点でやれるだけのことはやったので、今はスッキリした心持です。

もしここを見ていたら、未払い客さん、出世払いを気長に待ってますのでよろしくです。

後払いについて

で、後払いというのはこういうことがあるので、やっぱりやめた方がいいのかなァと一時悩んだのですが、お客さんにしてみたら後払いの方が安心なのではないか、また、こっちとしても先にモノを送らせて頂いた方が気が楽、というのがあるのです(先払いにしたとして、注文してくれた方がお金を振り込んだ後、もし自分が病気になって倒れてしまったら商品が発送できないではないか、そうしたら詐欺で訴えられるのではないか……などと考えてしまう小心者です)。

という訳で、もうしばらく今まで通りのやり方で続けてみようと思います。
警察の方は、「世の中いい人ばっかりじゃあない」と言っていました。
警察官の口から出るとそれはそこはかとなく説得力のある言葉でしたが、まァでも、私は世の中いい人の方が多いと思っています。というか、そう思いたいです。

その内もし、「そうでもなさそうだな」と思う時が来たら、後払いをやめて先払いシステムにするか、代金引換だけにするか、はたまたネット販売自体をやめてしまうか、考えようと思います。

そして今度のようなことがあって、今までキチントしてくださっていたお客様への感謝の念がますます強まりました。
本当にありがとうございます!
うらなか書房は、もう少し頑張ってみようと思います。

追記

その後再度の未払い発生のため、支払方法を代金引換と先払いにすることにしました……。
口惜しいですが、世の中にはやっぱり、少数ですが、確実に小悪党が居るということを学びました。

更に追記

2度目の方から、大幅に期限を過ぎてからですがお支払がありました。こういうこともあるのですね……。
でもやっぱり後払いシステムは気疲れするのでもうやらないと思います。