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日本の美術館名品展

time 更新日:  time 公開日:2009/07/05

日本の美術館名品展

「日本の美術館名品展」を観に上野に行って来ました。
お目当ては甲斐庄楠音の「横櫛

小説『ぼっけえ、きょうてえ』の表紙に使われている絵です。

……だったのですが……ない、どこを探しても見当たらない!
で、入口でもらった「出品目録」をよくよく確認してみたら、何と後期では展示されていないことが判明しました。ガックリ……。

でも他にもいいものがあったので、まあよしとしますか……。

高島野十郎「蝋燭」

特に印象に残ったのは、高島野十郎「蝋燭」です。それ程の大きさでもなく、ただ蝋燭が燃えているだけの絵なんですが、何だかものすごく迫力がありました。

『怖い絵』という本の表紙に使われていました。

帰りの電車で芥川竜之介の『侏儒の言葉a』を読んでいたら、「大作と傑作は違う」というような文章が出て来て、おお、正に高島野十郎の「蝋燭」は傑作なのに違いない、などと思ったりしました。ただでかいだけで何だかよく分からない絵よりよっぽど心惹かれます。

片岡球子の絵

片岡球子の絵は色使いが派手でよかったです。

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林武「椅子による裸婦」

林武という方の絵も面白かったです。「椅子による裸婦」という絵だったのですが、現実にはあり得ないプロポーションでした。

ピカソ「ドラ・マールの肖像」

ピカソの「ドラ・マールの肖像」もよかったです。横顔なのに両目も鼻の穴も2個あるという。キュビスム……これぞキュビスムですよなァ(ホントはあんまりよく分かってない)。

堀内正和「D氏の骨ぬきサイコロ」

Card

立体でも面白いのがあって、堀内正和「D氏の骨ぬきサイコロ」……奇想天外なアイデアですね。
題名のD氏というのも何だか思わせぶりで○。心なしか探偵小説的な香りがします。

ジャコメッティの彫像

それとジャコメッティ! 胸から上だけのブロンズ像なのですが、とんでもなく細かったです。
ちなみにテレビ番組「美の巨人たち」では全身像が取り上げられていましたが、それも驚きの細さでした。小林薫さんがものすごくいい声で「もっと細くゥゥ……」とナレーションしていたのを覚えています。「美の巨人たち」を見ていて笑い転げたのは後にも先にもこの回だけだと思います。

ジャコメッティの彫像……細すぎィ!

フランソワ・ポンポンのシロクマ(彫刻)

それと妙にツルッとしたかわいいシロクマの彫刻(大理石で出来ているらしい)があったのですけど、その作者のお名前が「フランソワ・ポンポン」というこれまたかわいらしい名前だったのでひとりで吹き出しそうになってしまいました。名前と作品マッチしすぎです。

なんとAmazonでレプリカが販売されていました


――とまァ楽しむには楽しんだのですが、最終日前日の土曜日ということで滅茶苦茶混んでいました。普段美術館に行ったら割と説明書きなんかもきちんと読むのですが、今回は途中から何だかもういいやとなってしまって作品だけザーッと見た感じでした。やっぱり美術館は平日昼間など空いている時に行ってノンビリ見るに限りますね。