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「本当の強者」は猛禽類の冷酷さと寄生虫のしたたかさを併せ持つ

time 更新日:  time 公開日:2016/02/02

人間も動物と同じく弱肉強食であることには変わりないのに、優しさ思いやりが美徳とされているのはなぜだろうか。
恐らく、動物の弱さが死に直結するのと違い、人間はある程度弱くても簡単には死なないからであろう。

この「ある程度の弱者」の数が多いため、この人たちへの配慮(優しさ思いやり)が必要になる。
あまりにもあからさまに弱肉強食を実践する者は、「ある程度の弱者」に数の暴力によって引きずりおろされる恐れがある。

ある程度の弱者

ある程度の弱者」には、肉体的・精神的に少し弱い所がある者のみならず、地位や名誉がない者、お金を稼ぐ能力が乏しい者も含まれる。
世の中の7割くらいの人間があてはまるのではないだろうか(残り1割ずつが本当の強者自分を強者と思い込んでいる人本当の弱者)。

日本人は特に遺伝子的にネガティブになりやすいそうなので、自分が「ある程度の弱者」だと気付いてしまう人が多いのではないだろうか。
そのため人生に希望が持てなかったり、「判官びいき」のような心情が生まれやすかったりするのかもしれない。

本当の強者

本当の強者」は、「人の世も所詮は弱肉強食」と心得ていながら、それをおくびにも出さない。
大多数の「ある程度の弱者」を敵に回さずに済むからである。

「本当の強者」は、猛禽類の冷酷さに加えて、宿主を生かさず殺さず養分を摂取する寄生虫のしたたかさを併せ持つ。
本心は誰にも打ち明けない。家族にさえ一生打ち明けないし、また、見破られてもならない。
よくお金持ちや天才は孤独だといわれるが、金銭感覚がおかしかったり、お金目当てで他人が寄ってきたりすることの他に、上記もその原因のひとつなのではないだろうか。
強者には強者なりの苦悩があると思われる。

本当の弱者

「本当の強者」は人格者聖人に見えることがある。
しかしそれは違う。人格者聖人は「本当の弱者」の中にいる。
人格者聖人は社会的に成功しない。他人を尊重する、もしくは自己主張をしない(またはできない)ので、目立つことなくひっそりとその人生を終えるはずである。
人間としてはこの上なく美しいが、お腹はきっと膨らまない。

しかし、「本当の弱者」の中には、「自分は強者になれない」とひねくれてしまう人もいる(こういう人は「ある程度の弱者」の中にもいる)。
何かのきっかけがあると「自分を強者と思い込んでいる人」を引きずりおろそうとするのはこういう人たちである。
しかしこれは本当にごく一部の人だ。大半の人は人生に絶望してしまって、こういうことをする気力すら起きない。

自分を強者と思い込んでいる人

自分を強者と思い込んでいる人」は、猛禽類の冷酷さを持っているが、寄生虫のしたたかさを持たない者である。
自分が強者であるとひけらかしたり、声高に弱肉強食を主張したりして、「ある程度の弱者」の反感を買う。
この種の人は隙や弱みをちょっとでも見せようものなら、「ある程度の弱者」や「本当の弱者」により引きずりおろされて、社会的に制裁を受けたり抹殺されたりする恐れがある。
しかし大抵の人はお金や権力を使って逃げ切る(=強者とされたまま人生を終える)。
多くの人に嫌われるが、支持者もそれなりに存在する。
メンタルと運が強ければかなり幸せな人生を送れるかもしれない。

まとめの図

人間の強者・弱者の図

……なんてことを、「ある程度の弱者」である私は考えているのだけど、「本当の強者」に聞いても本心を話してくれないだろうから、真実は藪の中である。