この記事では、前回の記事で紹介した「怪しい少年少女博物館」の姉妹館である「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」をご紹介します。
姉妹館といいつつ、どうやらこちらの「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」の方がメインのようです。敷地面積が「怪しい少年少女博物館」の何倍も広く、展示も大がかりなものが多かったです(といってもB級臭はプンプンなのでご安心を!)。
行く前は「怪しい少年少女博物館」がメインで、「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」がその別館的な建物なのかと思っていたのですが、実際行ってみた所逆だったのでちょっと意外でした(「怪しい少年少女博物館」の方が知名度が高い気がするので……)。
では、以下で「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」のレポートをしていきます!
「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」とは
まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~
住所 | 〒413-0231 静岡県伊東市富戸梅木平1310-1 |
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営業時間 | 9:15~17:00(8月のみ 9:00~17:30。入場は30分前まで) |
料金 | 大人1200円/小中学生600円 割引はこちら |
備考 | 年中無休 |
「怪しい少年少女博物館」と「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」は4キロほど距離が離れているので、徒歩での移動はちょっと厳しいです。
コンセプトは「キモ可愛い」「怪しい秘密基地」「夢か、うつつか、まぼろしか」などなど……
別名「キモ可愛いパラダイス」「アンポンタン共和国」または「アホとボケの楽園(パラダイス)」またの名を「怪しい秘密基地」とのたくさんの異名を持つ、とにかく熱い!暑い!あ・ぶ・な・い私設ミュージアム。まだ作り途中と胸を張る館長:セーラちゃんの頭の中から放出されたおきて破りの品のないネタが刻一刻と展示になって増殖中。
まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~
私設……!? 受付に置いてあった本のラインナップからして、データハウスという出版社が絡んではいるようなのですが……(詳しくは「怪しい少年少女博物館」の記事をご覧ください)。
しかし会社が運営しているにしては、「怪しい少年少女博物館」も「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」も確かにちょっとフリーダムすぎるのですよね……。まァその辺の謎は置いといて話を進めます。
入口~受付
駐車場の看板。これは普通にレトロ可愛いですね。
あやしげな人形を横目に見ながら階段を上っていくと受付があります。
ここでも「内部の撮影をしたりブログに写真を載せたりしても大丈夫ですか」ときいた所、「どうぞどうぞ!」と快諾して頂けました(「怪しい少年少女博物館」と同じく太っ腹で思わず好感度が上がります)。
受付の傍にある案内図。
受付の後ろを通って「密林にたたずむ大仏と世界古代文明遺跡」を見て、引き返してきて「昭和の時代を通り抜け」、続けて「悪酔い横町」を探索し、山道を通って受付の近くに戻り、最後に「魔界神社-祭礼の夕べ-」を鑑賞する……というルートになっています。
「悪酔い横町」「魔界神社」……! なんというイカしたネーミングセンス(それをいうならそもそも「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」や「怪しい少年少女博物館」といった名称もイカすのですが)……! 入場前から早くも興味をかきたてられます。
案内図の近くにあった「縁結び地蔵」……緊縛されているお地蔵様とはオツですね。
ではいよいよ「まぼろし博覧会~怪しい秘密基地~」に突入です!
密林にたたずむ大仏と世界古代文明遺跡
受付の後ろを通り抜けてしばらくすると、唐突に人形が現れます。「呪詛する僧」……穏やかではないですね……イイですね……(しかもちょっとイケメン)。
お次に巨大な大仏や仁王像が出てきます。大仏は高さ10メートルくらいはありましたでしょうか(すいません適当です。とにかくでかかったです)。
その他、ミニチュアの遺跡や、文明ごとの女性の服装などが飾られていましたが……、うん、ここはまァオードブル的な展示のようなので、ざっと見て次に進みます。
昭和の時代通り抜け
次は「昭和の時代通り抜け」コーナーです。ここは凝っていて大変素晴らしかったです。
中は映画のセットのようになっていて、昭和の様々なお店や学校、民家などが立ち並んでいます。
壁には昭和を思わせる広告が所狭しと貼られています。「ヒロポン」……!
その時代時代の映画のポスターが貼られている所も。
路地には怪人二十面相がいたり……(後ろにちょこっと見えているのは月光仮面)。他にもちょっとした仕掛けがあったりしました。
「ヌード劇場不美人座」! ここでも素晴らしいネーミングセンスが炸裂しています。中に入るとお楽しみが……?
ある大学では学生運動が行われていました。建物の中にも入ることができて、その壁に「造反有理」という言葉が落書きされていたり、「○○派」と書かれたヘルメットが飾られていたりと、ディテールが大変細かかったです。
大学の前にはパチンコ屋さんが。時代を感じるレトロなパチンコ台です。
悪酔い横町
昭和時代を通り抜けると、「悪酔い横町」が待っているのですが……。いや、ここはもう本当にごった煮です。ペンギンの人形があったり(恐らく「怪しい少年少女博物館」の前の建物のもの)、突如として秘密基地が現れたり……。
どこのコーナーにも入れられなかったガラクタ(失礼)を寄せ集めているのかもしれません。
フェンスに腕がくっついていたり……、
鉄の処女? 的な拷問器具に挟まれた女性の人形が出てきたりと、脈絡のないホラー演出がされていたりもします。
山道
しっちゃかめっちゃかだった「悪酔い横町」を抜けると、山道になっています。そこを通って受付の近くまで戻ります。
屋根も手すりもない狭い山道なので、ちょっとデンジャラスです。
雨の日は建物内を引き返した方がいいかもしれません。
山道にも意味不明の人形が設置(放置?)されていたりしてちょっとホラーでしたが……これはまァ見ても見なくてもどっちでもいいかも……。
魔界神社-祭礼の夕べ-
受付近くに戻ってきて、最後の「魔界神社-祭礼の夕べ-」に入ります。ここの展示もかなり大がかりでした。「昭和の時代通り抜け」とここがメインコーナーといえそうです。
「公衆衛生博覧会」や「サーカス」など、江戸川乱歩の小説に出てくる浅草を想起させるような展示になっていました。
わら人形
「怪しい少年少女博物館」同様、ここにもわら人形が……! お値段も変わらず300円で販売していました(やっぱりお手ごろ価格……!)。
公衆衛生博覧会
そしてなんと「公衆衛生博覧会」が……!
昔(明治~昭和時代?)日本で、「衛生博覧会」という催しが行われていたそうです。名目は医療的な何やらだったようなのですが、人体模型だとか病気の症状の写真だとか結構えげつないものが飾られていて、当時の人々は見世物小屋的な怖いもの見たさで「衛生博覧会」に赴いていたのだとか(小説のイメージ)。
「公衆衛生博覧会」は、名前からしてきっとその再現をしているのでしょう。ワクワクしますね……!
入ってみると、すぐ横に妊婦の人形が並んでいます。赤ちゃんが女性のお腹の中で育つ過程を表現しているようです。
その横では女性の「割礼」が行われていました。これはなんだか妙な迫力があって怖かったですね……。
クジラの生殖器。その横にはまたもや妊娠中の女性が……。
展示自体は特別グロい訳ではないのですが、床が石造りだったり、ガラスケースの枠が木だったりと(多分)、なんだか全体的に古めかしい病院のような雰囲気があってそれが素晴らしかったです。
ちょっと残念だったのは、割と大きな音で音楽がかかっていたことでしょうか。無音の方がもっと寒々しい雰囲気が出てよさそうな気がします。
安井大サーカス
白熊などの動物の剥製が置かれているのですが、これもひと気のない所で見ると結構怖い……。
藪病院
モグリでアル中の藪病院です。
分娩室ではあやしげな処置が行われていました……アワワ……。
遊郭
病院の傍には遊郭や……、
怨霊寺
「怨霊寺」がありました。
この中はお化け屋敷になっています。しかしかなり短めです。お化け屋敷は「怪しい少年少女博物館」の方が怖かったです。
あとがき
全部見るのに2時間くらいかかったかと思います。レトロなものやあやしいものがてんこ盛りでB級好きにはもうタマラン所です。
たまにイベントもやっているようで、それはそれで楽しそうなのですが、あの平日のひと気のなさがまたいいのではないかという気がします。周りに人がいない方が昭和時代に迷い込んだ感じが強まりますし、「公衆衛生博覧会」の不気味さもいや増すというものです(運営している側からすれば人が来ないと商売上がったりでしょうが……)。
それと、「怪しい少年少女博物館」同様、ここも年中無休とのことで、お正月にも何かイベントが行われるようです。
「熱海秘宝館」もパンフレットに年中無休と書いてありましたが……こういう観光スポットって、年末年始のお休みなどはないものなのでしょうか? 逆にかき入れ時なんでしょうか……? そのサービス精神に頭が下がります。
あやしいもの好きな方は是非遊びに行ってみてください!
遠くて行けない……! でも気になる! という場合は「まぼろし博覧会」の解説本がありますので是非どうぞ!
- 怪しい少年少女博物館
「まぼろし博覧会」の姉妹館。こちらもあやしげなムードがムンムンです! - 伊豆極楽苑
この世にいながらにして地獄めぐりを体験できます。迫力満点の展示は子供が見たらトラウマもの! - 熱海秘宝館
大人のテーマパーク。おバカでいやらしくて面白い!
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