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本を読むと自分がどういう人間なのか少し理解が深まるのかもしれない

time 更新日:  time 公開日:2019/08/13

先日、『世界毒舌大辞典』という本を読んだ。

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文豪や哲学者、思想家などの、皮肉やブラックユーモアを感じさせる言葉を集めた本である。

その中でいくつか気になる言葉があったのだが、そのうちのひとつが下記である。

人食い鬼の不在が痛切に感じられる。
アルフレッド・ジャリ

ジャリが子供でいっぱいの広場で叫んだ言葉だという。
不謹慎といえば不謹慎だが、「ああ、うるさい子供が嫌いだったんだろうな……」と人間味を感じられて私は微笑ましく思った。

もうひとつ、

街路に出たとき、人々を見て最初に頭に浮かぶ言葉は「皆殺し」である。
E・M・シオラン

この言葉も似たような感じである。ただ、ジャリは他人(人食い鬼)任せにしているのに対して、シオランは自ら実行してしまいそうな所がちょっと怖い(思うだけならなんでも自由ですが犯罪は犯さないようにしましょう)。

ちなみに『世界毒舌大辞典』にはなぜか出典が載っていなかったのだが、私がこの文章を初めて目にしたのはシオランの『四つ裂きの刑』である。


四つ裂き刑 (叢書・ウニベルシタス)

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シオランといえば『生誕の災厄a』が読みやすくておすすめだが、『四つ裂きの刑』も一部アフォリズムが載っているので分かりやすい。
『生誕の災厄』も『四つ裂きの刑』も、この世に生まれたことへのぼやき(というと一気に卑近な感じになってしまうが……「呪詛」とか「怨念」などというと怖すぎてとっつきにくいかと……)で満ちあふれているので、ある種の人にとっては心地よい読書体験になるのではないかと思う(心底気の合う同志にようやく巡り合えたというような)。

もうひとつ、『世界毒舌大辞典』とはまるで関係なく、しかも本でもなく、映画のモノローグなのだが妙に印象に残っているものがある。少し長いけれど下に引用してみる。

今日もほんまに地獄みたいに暑かった。道を歩いとっても、マンホールの蓋から水蒸気が湧き出てきやがるし。腐りかけた人間らがフラフラとくらげみたいに歩いとるし。それがイヤっちゅうほど目に飛び込んできやがった。そんな腐りかけが立ったり座ったり走ったりしやがるんや。中には笑うとるやつもおった。何がおもろいんか知らんけどよう笑いまくっとった。
ごみくそのくせしやがって。あほたれどもが。
映画『追悼のざわめき』

おすすめのカルト映画 厳選10作」という記事などで紹介している映画『追悼のざわめきa』。その登場人物、誠の独白である。
この映画を観てからもう6、7年経っているが、いまだによく印象に残っている。

こういう言葉や場面などは、人によって引っかかる箇所が当然異なるだろう。そしてそれが各人がどういう性格かということを表すものの一部になり得るのではないだろうか。

例えば私の場合であれば、群衆というものに漠然とした嫌悪感を抱いているのかもしれない。いや、かもしれないといいつつ、うすうすそんな気はしていたのだが、その思いがより一層強固になるというか。なので上記のような言葉にハッとさせられるような感覚があるのだろう。

だから何といわれたらそれまでなのだが、自分を知ることにより少し生きやすくなるとは考えられないだろうか。
またもや私の場合で恐縮だが、なるべく群衆を目にしないよう人混みを避けるとか、人が多い集まりには出席しないとか、そういった対処ができるようになる。それにより余計なストレスを感じずに済むようになる。

ただ生活能力が高い人であれば、わざわざ本を読んだり映画を観たりしなくても、自然と自分というものを理解できるのかもしれない。私は生きるのが下手なのだとつくづく思う。

はるかな昔から私は、この世が自分むきに出来ていないのを、どうしてもこの世に慣れることができないのを自覚してきた。
E・M・シオラン『生誕の災厄』

そうそう、分かるよ、シオラン。

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