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ホラー映画の画質や演技などについて思うこと、その他岡本太郎の言葉など

time 更新日:  time 公開日:2016/08/02

私はたまに絵を描きます。
で、作風が似ても似つかないので意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は岡本太郎さんにちょっと影響を受けていたりします。
といっても作品より、岡本太郎さんが書いた本の方に特に影響を受けているかもしれません(作品ももちろん好きですが)。

今日の芸術は、
うまくあってはいけない。
きれいであってはならない。
ここちよくあってはならない。
岡本太郎『今日の芸術』

や、

「さすがにピカソはうまい」などと言う人が多いようですが、そういう感心のしかたは気をつけなければなりません。(中略)
うまいから価値があるんだというような言い方、考え方はまちがいだし、危険なのです。
岡本太郎『今日の芸術』


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などという言葉を若い頃に読んだためか、それとももともとの気質なのかは分かりませんが、今でもただ上手だったりキレイだったりする絵にはそれほどそそられなかったりします(しかし絵の内容が物騒であれば話はまた別ですが)。

絵に限らず、音楽にしても、「歌や演奏がめちゃめちゃうまい」というミュージシャンより、歌や演奏の技術はそれほどでもなさそうだけど、とにかくなんだか熱気がすごい、とか、クセがすごい、というミュージシャンに惹かれます。

で、映画に関してもそのように思っていた訳ですが……。

技術より心意気! と思いたい、が……

私はホラー映画、それもちょっとグロい映画を観るのが好きです。
で、こういったちょいグロ映画というやつは、通販サイトや映画レビューサイトでは評価がケチョンケチョンなことが多いです。
ところが観てみたら自分にはめちゃめちゃツボだった! という映画が中にはあったりするので、気になったものは評判が悪くてもとりあえず観てみることにしています。しかし世間の評判どおり、やっぱりまァなんだかなァ……という映画も多々あります。

で、技術より心意気でしょ! という自分の信念のようなものが、近頃ちょっと揺らぎつつあるのです……。

ブライアン・ポーリン監督の映画

ブライアン・ポーリンはグロ・スプラッター映画ばかり撮っている映画監督です。この監督の映画の評判はどれも惨憺たるものですが、こういうのに限って自分にとっては当たりということが間々あるので観てみることにしました(『ボーンシックネス 最怖ゾンビ軍団襲来a』『ハードスプラッシャーa』『ブラッド 血肉のいけにえa』)。

で観た感想としては……内容はかなり好みでした。特に『ハードスプラッシャー』はもう少しうまくやれば『ヘル・レイザーR』のような映画になり得たのではないかと思います。

『ハードスプラッシャー』

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出産時に子供と共に妻までも失ってしまった男性が、あるあやしげな本屋で黒魔術の本を手に入れて……。

しかし画質があまりにもひどすぎる……。ホームビデオで撮ったような画質なのです。
照明も明るすぎるし、音楽もスカスカだし……今時素人でももう少し上手く撮れるのでは……という仕上がりです(恐らく3つとも自主制作映画なので、仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんが……)。
映画を観ていて、音楽はともかく、照明は普段そんなに気にしたことがなかったのですが、こういったヘロヘロ映画を観ると「照明って大事なんだなァ」と気付かされます。

ホラー映画のレビューを読んでいると、たまに「ただグロいだけで面白くない」という文章があったりします。
今までは「グロがあれば全く面白くないってことはないだろう!」と、醤油をかけときゃなんでも美味い的にグロを信じていた私なのですが、この監督の映画は「ただグロいだけで面白くない」といわれても仕方ないかも……? とちょっと不安にさせられる代物でした。

オラフ・イッテンバッハ監督の初期作品

ドイツの鬼畜映画監督といわれるオラフ・イッテンバッハ。私はこの監督が撮った『ビヨンド・ザ・リミット』にハマッたので、監督の他の映画も観てみました。

『ビヨンド・ザ・リミット』

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始めの方はちょっとスタイリッシュなのに、どんどん世界観があらぬ方向へと転がっていき、しまいにはメタルバンドのジャケットのような光景が広がって……というなんとも摩訶不思議なオカルトグロ映画。

詳しくは おすすめのホラー映画 厳選7作【ヘル・レイザー、マーターズ、悪魔のいけにえ等60~00年代洋画】

初期の『バーニング・ムーンa』(1992)は自主制作映画らしく、やはりホームビデオで撮ったような画質でした。しかし監督十八番の「頭部破壊描写」やグチャグチャのグロシーンにはこの頃からこだわりが感じられて目を瞠るものがありました。
そして『新ゾンビa』(1997)で少しですがクオリティが上がって、その後の『ゾンヴァイア 死霊大血戦a』(2001)、『ビヨンド・ザ・リミットa』(2003)、『ハウス・オブ・ブラッドa』(2006)で技術がみるみる上達していくのが素人目にも分かりました。

ということがあったので、ブライアン・ポーリン監督の映画も何作か撮る内にクオリティが上がっていくのだろうか……と3作観たのですが、ほとんど成長が感じられませんでした……。

ちなみにブライアン・ポーリン監督の映画の製作年は、

どれも2000年以降です。それなのに80年代の自主制作映画とどっこいどっこい、下手するとちょっと劣るかもしれない画質なのです。
あ、でもブライアン・ポーリン監督もイッテンバッハ監督と同じく、グロへのこだわりは半端ないです。それはきちんと伝わってきました。

また、3作ともJVDという映画配給会社のレーベル「ディープレッド」からDVDが出ています。このレーベルから出ているDVDは香ばしいものばかりのようです……。

その他の自主制作映画

アメリカのB(Z?)級映画製作会社トロマの『悪魔のゾンビ天国』(原題は『Redneck Zombies』。ペリクレス・レウニス監督。1987年)。上記動画はトロマの公式動画です。

これも中身は(というかグロ描写は)まァボチボチなのですが、画質がひどいです……(ブライアン・ポーリン監督の映画もこういう感じ)。トロマの代表作『悪魔の毒々モンスターR』(1984)のスタッフが作ったとのことですが、『悪魔の毒々モンスター』よりだいぶクオリティが下がっているような……!?

それとドイツ鬼畜映画監督の1人、アンドレアス・シュナース監督の『悪魔のえじき/ブルータル・デビル・プロジェクト』(1999)も画質がひどかった。それに加えて演技もひどかった。私は演技の良し悪しにはあまりこだわりがない……というか上手い下手がよっぽどのレベルでないとよく分からないのですが、これはそのよっぽどのレベルの演技でした(マイナスの方の)。
言葉は分からなくても、『デビルマンaの双子や『シベリア超特急aの水野晴郎さん並みのひどい演技だということが伝わってくるのですからある意味すごい。
こういう大根演技を目にすると、違和感なく見ることができる演技というのは実はすごいんだな……と他の役者さんの株が相対的に上がったりします。

しかし『悪魔のえじき/ブルータル・デビル・プロジェクト』も、「背骨バリバリバリィ!」などという大味なゴア描写が出てきて、そういった点では唸らされます。

『デビルマン』や『シベリア超特急』に関しては以下をご覧ください

【クソ映画】ひどすぎて逆に人気!? のカルト映画9作【デビルマン、死霊の盆踊り、シベリア超特急等】

自主制作映画でもそれほど画質などが気にならなかったものもある

ジム・ミューロー監督『吐きだめの悪魔』(1987)は監督が学校の卒業制作で作った映画らしいのですが、画質などはそれほど気になりませんでした。

『吐きだめの悪魔』

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人がドロドロに溶けたり男性の○○を投げて遊んだりする小汚いホラー映画です。妙な勢いがあって面白い&カメラワークが秀逸。ジム・ミューローはその後有名映画のカメラオペレーターとして活躍しています。

バッド・テイストa』(1987年。『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督)、『ビウェア! チルドレン・アト・プレー』(1989年。ミック・クリベン監督。トロマ社製作)も。
この違いは一体なんなんでしょうか……。予算? フィルムの質? それとも監督やカメラマン、照明や音楽担当者の腕?


邦画だと『鬼畜大宴会R』(1997)は熊切和嘉監督の卒業制作作品らしいのですが、これは全体的によくできていて非常に怖かったです。

詳しくは ちょいグロ好きが観てえぐいと感じたグロ映画【邦画編】~『鬼畜大宴会』『グロテスク』など

また石井聰亙監督『狂い咲きサンダーロードR』(1980)も卒業制作作品ですが、この頃石井監督は既にプロの映画監督だったらしいので、これはちょっと別物といえそうです(それとこれはホラーではなくてカルト映画です。究極のはみだし者を描いた名作です)。

詳しくは 【邦画中心】おすすめのカルト映画 厳選9作【狂い咲きサンダーロード、太陽を盗んだ男、鉄男など】

でも嫌いじゃない

おすすめのホラー映画 厳選7作【ヘル・レイザー、マーターズ、悪魔のいけにえ等60~00年代洋画】

上記の「おすすめのホラー映画」という記事で紹介している映画は、一般的にいえばB級映画の扱いかもしれませんが、この記事で紹介した映画を観た後だといろいろな意味で上等に感じられます。

世間のホラー映画の評価

悪魔のいけにえR』『ゾンビa』など

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越えられない壁

ブライアン・ポーリン監督トロマ社の映画など

こんな感じのイメージがあります。

じゃあこの記事で紹介した映画たちは世間の評判どおりにやっぱり全然面白くなかったのか、といわれると、それがそうとも言い切れないのです。
とにかく俺はホラーを撮りたいんだ! という情熱はビンビン伝わってくるので、なんだか憎めない映画たちなのです。
内容(というかグロ描写世界観)は結構好きなだけに惜しいなァ……と(繰り返しになりますが特に『ハードスプラッシャー』)。
それと最近のホラー映画はちょっと画質がキレイすぎて、それはそれでちょっと興がそがれる所もあるのです……。それに比べたら、スカスカ画質でも情熱みなぎるゴア描写が見られるZ級映画の方が、私は好きかもしれません。

でもまァ、ホラーへの情熱と技術のバランスがちょうどいい(風に見える)70~80年代くらいのB級映画が私には合っているのかなァなんて改めて思った次第です。
それと私は岡本太郎さんの言葉を真に受けて全くといっていいほど絵の練習をしてこなかったので、ちょっとは練習した方がいいのかもしれない……なんてことをしみじみ考えさせられた今日この頃です(考えただけで多分これからもしないけど……)。