乳がん検診で引っかかりまして、MRIとマンモトーム生検という検査を受けてきたので体験談をしたためようと思います。
これから同じ検査を受ける方のご参考になれば幸いです。
はじめの方にはMRIとマンモトーム生検を受けることになった経緯が書いてありますが、検査の様子だけ知りたい方は下の方までとばしてからお読みください。
目次
2015年4月7日 乳がん超音波(エコー)検査を受ける
右胸の内側下部に小さなしこりを発見。
近所の総合病院で市のがん検診を行っているので診てもらうことにする。
超音波(エコー)検査を受け、結果は「3mmの線維腺腫(良性の腫瘍)」。
費用は市の検診だったので1,200円。
2018年9月15日 マンモグラフィ検査を受ける
市のがん検診クーポン(マンモグラフィ用)が送られてきたので、3年くらい何も検査を受けていないことだし……と受けてみることにする。
クーポンを使ったので費用は無料。集団がん検診なので、病院ではなく、市の施設の傍に設置されたバスの中でマンモグラフィ検査を受ける。
検査結果が約1ヵ月後に送られてくる。結果は「A判定(異常なし)」。
しかし「高濃度乳腺のため、念のため超音波(エコー)検査も受けてください」との別紙が添付されていた。
協力機関という欄に、2015年に診てもらった総合病院が載っていたので、またそこで検査してもらうことにする。
2018年10月29日 超音波(エコー)検査を受ける
マンモグラフィ検査の結果が送られてきてから2、3日後くらいに近所の総合病院に行き、「高濃度乳腺のため超音波(エコー)検査を受けてくださいという通知が来た」と相談。
すると超音波(エコー)検査は可能だが、その日すぐに検査をすることはできず、予約が必要といわれる。
約10日後の2018年10月29日に超音波(エコー)検査を受けることになる。
結果は更にその3週間後くらいに判明するという。
これも市の検診扱いで1,200円。
2018年11月25日ごろ 超音波(エコー)検査の結果を聞きにいく
近所の総合病院に超音波(エコー)の検査結果を聞きにいく。
すると、2015年に発見された線維腺腫と重なるように別の腫瘤ができているかもとのこと。
これがなんだかはっきりしないので、きちんとした乳腺外科で診てもらってくださいといわれる(この病院は総合病院ではあるものの乳腺外科はない)。
超音波(エコー)検査の記録表には、既に見つかっている線維腺腫の他に、「混合性腫瘤の疑い 9.7 × 4.5 × 9 mm」、「カテゴリー分類 3(良性の可能性が高い)」と記されていた。
カテゴリーの数字により、「がんである確率」が変わる。カテゴリー3の場合5~10%。カテゴリー4の場合30~50%(参考サイト)。
ちなみに乳がんの多くは胸の上部で発生するらしい(参考サイト)。
線維腺腫があることは2015年の検査で判明していたので、それ以来お風呂などでたまにその部分をチェックしていたのだが、すぐ傍に1センチ近くもあるしこりができているとは全く気がつかなかった。それどころか、「線維腺腫が前より小さくなっている気がするな」とすら思っていた。人間の(というか私の?)感覚はあてにならないということだろうか……。
また良性の診断が誤診という可能性もなくはないので、しこりなどが見つかったことがある方はちょくちょく乳がん検診を受けた方がいいでしょう。
2018年11月30日 再度マンモグラフィ検査と超音波(エコー)検査を受ける
近所の総合病院で、「乳腺外科がある近場の病院リスト」をもらったので、その中で評判が良さそうだったクリニックに予約して行くことにする(電車で数駅)。
電話でこれまでの経緯を伝えていて、それでも診てくれるというので安心していたのだが、当日、「更に精密検査になった場合に、ここには針などを刺せる医師がいないのですがいいですか」といわれる。
ちょっと「えっ……」となりつつも、まァ精密検査まではしないで大丈夫だろう(なにせ9月のマンモグラフィ検査ではA判定だったので……)と思い、診察してもらうことにする。
するとまたマンモグラフィと超音波(エコー)検査をすることに。
1年に同じ検査を2度ずつもすることになるとは(その後またすることになるので結局3回ずつ)……。しかしそのクリニックではすぐに検査結果が分かるという。
でやってもらって、検査結果は「要精密検査」。ここではじめて「がんかもしれない」といわれる。
そんなにおおごとなの……!? と青天の霹靂。A判定(異常なし)は一体なんだったのか……。
そのクリニックの医師から、市民病院への紹介状と、検査の画像を入れたCD-Rを渡される。
この日の検査費用は5,410円(市の検診扱いではなくなったのと、初診ということもあってちょっとお高め……)。
マンモグラフィ検査の画像
上の方にある白い点(青丸で囲った部分)は、ひとつだけポツンと離れているので問題ないとのこと。
赤丸で囲った部分のように、白い点が連なって映る(この画像だと少し分かりづらいですが……)と、石灰化しているということで、悪性の可能性があるのだそうです。
超音波(エコー)検査の画像
良性の腫瘍やのう胞だと、輪郭が綺麗な丸になるとの話でした。私の場合は輪郭がモヤモヤしているのではっきり良性とはいえないのだとか……。
2018年12月4日 市民病院でまたマンモグラフィ検査と超音波(エコー)検査を受ける
土日を挟んだり用事があったりしたので、市民病院(ここも電車で数駅の所にある)に行ったのはクリニックでの診察から4日後。
紹介状とCD-Rを受付で渡していたので話が早い(ただ待ち時間はめちゃくちゃ長かった)。
で、その日またもやマンモグラフィ検査と超音波(エコー)検査を受けることに。市民病院のマンモグラフィ検査では、クリニックのものと違って3Dで病変を見ることができるのだとか。
はじめから市民病院に来ていればよかったような気もしたが(「乳腺外科がある近場の病院リスト」に入っていた)、クリニックで紹介状やCD-Rを入手できたのでよしとしておくことに(そう思わないとやってられない)……。
マンモグラフィ検査と超音波(エコー)検査を受けた後に、「MRIとマンモトーム生検をやりましょう。それで悪性かどうかはっきり分かります。がんだったらその時は治療方針などを相談しましょう」といわれる。
なんでこんなことに……。A判定(異常なし)はいずこに……(しつこい)。
この日の検査費用は5,210円。前回のクリニックと同じような金額。
2018年12月13日 胸用MRIを受ける
予約がいっぱいということで、市民病院でのはじめの診察日から約10日後にMRIを受けることに。
検査は15時からとなっていたが、準備のため30分前くらいに病院に到着するよういわれていたのでその通り向かう。
当日は昼食抜き。水もあまり飲まないでくださいとのことだった。
検査着に着替え、担架のようなものにうつぶせに寝る(胸は直前にはだけさせる)。
その姿勢のまま担架ごと筒的な装置の内部に自動で移動する。
私はMRIというのは狭い筒に閉じ込められるイメージを持っていたのだが、頭上と足の部分は開いていて、思っていたより圧迫感はなかった。
しかし検査中ずっとうつぶせのままでじっとしていないとならないのでつらい(30分~40分ほど)。
しかもほとんどの時間工事中のような騒音を聞かされる。受付で耳栓をもらってつけていたのだが(注意事項に、耳栓が欲しい人は受付にいってくださいと書いてあったのでもらった)、あまり効果はなかった。しかし耳栓をつけていなかったらもっとうるさかったということなのだろう。
それと検査中鼻がかゆくなったり、おでこが痛くなったり(バーのようなものに押しつけている格好なので)、足が冷えて攣りそうになって(靴下ははいていていいのだが、それでも冬なのでやはり寒かった)困った。
私はこの後に行ったマンモトーム生検(針で胸を刺す)より、MRI検査を受ける時の方が気が重かった。そして実際やってみてやはりMRIの方がキツかった(これは人によるだろうが……)。
MRI検査費用は8,390円。だんだん費用が高くなってまいりました……。
2018年12月20日 マンモトーム生検を受ける
マンモトーム生検は更に予約がいっぱいということで、市民病院でのはじめの診断日から2週間以上も経ってからようやく受けることに。
マンモトーム生検とは
胸に4mmほどの傷をつけ、病変部分に針を刺し入れる。その針が組織の吸引や切除を行う。採取された組織を調べることにより、腫瘤などが悪性かどうか分かる。
検査の時針は見えなかったが(エコー画面には映っていたが実物は見ていない)、診断の時の医師の説明によると、「ボールペンの芯より太い(手にしていた一般的なボールペンの芯を示しながら)」といっていたので、裁縫の針などよりはだいぶ太めらしい。
マンモトーム生検を受ける前の準備
検査時間の30分前くらいに受付をして検査着に着替える。
この辺りはMRIと同じだが、マンモトーム生検はMRIと違って食事制限はない。
超音波ガイド下マンモトーム生検
私が受けたのは「超音波ガイド下マンモトーム生検」というもので、仰向けで行われた。
医師と患者が同じエコー画面を見ながら検査をしていく。
検査着に着替え、ベッドに仰向けになり、まずは消毒、そして麻酔。
麻酔は手前用と奥用で2回。どちらもチクッとする程度。歯医者でする麻酔と同じものらしい。
麻酔をしてからしばらく待つのかと思いきや、割とすぐに傷をつける(上でも書いたが、針を通す用に4mmほど)。これもチクッとするくらい。
それから針が刺されるのだが、モニター画面で針がズンズン侵入してくる様子を確認できる。
そして病変の上から下まで組織を取る。
何度か(10回くらいか)位置を直して、その度針がブブブブブ……と振動する。
なんだか違和感があるが痛みはない。
検査時間は30分くらい。
検査が終わると、消毒をして、テープをペタペタ張られたり包帯をさらしのようにぐるぐる巻かれたりバンドを巻かれたりする。
このバンドなどは24時間取ることができない。という訳で検査当日は入浴できない(そして苦しいし動きづらい)。
24時間経ったらバンド、包帯、大きめのテープは外して、シャワーOKになる。
48時間経ったら、4mmの傷跡部分の小さなテープも剥がして、普通に入浴可能になる。
マンモトーム生検の後に胸に巻かれたバンド
ちなみにバンドは次の外来の時に返してくださいとのことだった(洗濯不要)。使い捨てではないらしい(この辺は病院によりけりかもしれないが)。
マンモトーム生検後の痛み(当日)
なんだ、全然痛くないんだな……とのん気に過ごしていたら、検査から4~5時間後、麻酔が切れて胸が痛み出す。
マンモトーム生検のパンフレットには「痛み止めを処方します」と書いてあったのだが、「それだと内出血が起きた時などに分からなくなってしまうので」という理由で痛み止めは出なかった。「痛みは通常だんだん治まりますが、逆に強くなっていった場合内出血を起こしているかもしれないので、夜間の救急外来に来てください」との話だった。
注意書きに「麻酔が切れると鈍い痛みがある」と書いてあったのだが、まさにそんな感じ。
あざをギューッと押さえつけられているような……。そして笑ったり体をひねったりすると、その痛みに更にズキッとした鋭い痛みが上乗せされる。
痛み始めてから2時間ほどで痛みはだいぶやわらいだ。ただ体を動かすとズキッとする痛みはやはりある。
深夜かなりズキズキとした痛みがあり目が覚める。これは救急外来に行くべきなのか……? と迷うが、体勢を変えたら痛みがやわらいだのでそのまま寝てしまうことにする。
マンモトーム生検後の痛み(翌日)
起きた時にはほとんど痛みはなかった。
しかし階段を下りたり、テーブルを拭いたりなどすると、疼くような引き攣れるような痛みが一瞬胸に走る。
特に痛かったのは、ポットのお湯を注いだりハンドソープのポンプを押したりなど、「上から下に向かって何かを押す」動作をする時。
ただしこれは私が右利きで、右胸を検査したためと思われる。右利きで左胸を検査したり、左利きで右胸を検査した場合はこのような痛みはあまり感じないのかもしれない。
マンモトーム生検後の痛み(翌々日)
「上から下に向かって何かを押す」動作をしてもそれほど痛みを感じなくなる。
人間の治癒力ってすごい……。
マンモトーム生検後の傷跡
検査から5日後くらいの傷跡。黄色っぽくなっているあたりが腫瘤ができている部分。
救急に行くほどではなかったが、やはり多少内出血が起きていたようだ(写真を撮って初めて気がついた)。
マンモトーム生検の費用
私が受けたのは「超音波ガイド下マンモトーム生検」で、お会計は23,330円。いきなりの2万ごえ……!
払う前はせいぜい1万円くらいかと思っていたのでこれはちょっとキツかった……。
はじめは市の検診で無料や1,000円ちょっとだったのが、検査が進むごとに費用がどんどん高額に……。
不謹慎にも「まるでヤクの売人の手口のようだ」との考えが頭をよぎったりして……。
マンモトーム検査の結果が分かるまでの期間
通常なら1週間ほどで検査結果が出るらしいのだが、今回は年末年始を挟むので2週間少しかかるとのこと。
経緯まとめ
9月15日 | 市のマンモグラフィ検査を受ける。クーポンで無料。 |
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約1ヵ月後 | A判定(異常なし)だが、高濃度乳腺のため超音波(エコー)検査を受けてくださいとの通知が来る。 |
10月29日 | 市の検診扱いで超音波(エコー)検査を受ける。検査結果が出るまで約3週間かかるとのこと。1,200円。 |
11月25日 | エコーの検査結果を聞きに行く。専門の乳腺外科に行くよういわれる。 |
11月30日 | 乳腺外科クリニックで再度マンモ+エコー。「がんかもしれない」といわれる。5,410円。 |
12月4日 | クリニックの紹介状を持って乳腺外科がある市民病院へ。またもやマンモ+エコー。MRIとマンモトーム生検の予約を取る(一番早くて10日~2週間後)。5,210円。 |
12月13日 | MRI検査を受ける。8,390円。 |
12月20日 | マンモトーム生検を受ける。23,330円。 |
翌年1月8日 | 検査結果判明予定日。 |
あとがき
市のマンモグラフィ検査を受けたのは9月15日……。3ヶ月以上も経ってまだこんなにゴタゴタしているとはその時は思いもよりませんでした。
市の検診扱いで受けられる検査は安くてありがたいのですが、検査結果が出るまでに時間がかかる(3週間~1ヶ月ほど)のが難点ですね……。しかし9月のマンモグラフィではA判定(異常なし)でしたから……。次のエコーも「念のためやっておくか」くらいの気持ちで、専門の乳腺外科に行くなどということはまるで考えなかったのです……。とはいえ、専門の乳腺外科は乳腺外科で、検査結果は割と早く出るものの(検査の種類によりますが、通常当日~1週間くらい)、予約がいっぱいで検査するまでに時間がかかり(そしてお金もかかり)……。
という訳で検査結果は年明けに持ち越されることに……。なんだかモヤモヤしますがまァ仕方ありません。
その間は万が一悪性だった場合に備えて、治療についての情報収集をしたり、保険の内容をチェックし直したり……とやるだけやったら、なるべく普段どおり過ごすつもりです(ずっと検査結果について考えていると精神衛生上良くなさそうなので……)。
結果が出たらここに追記するかまた改めて記事を書こうと思います。
結果:乳がんでした
2019年1月8日、病院に検査結果を聞きにいった所、乳がんと告げられました。
マンモグラフィA判定、エコーの結果カテゴリー3、しこりがある部位は右胸の内側下部だったので、「まァがんではないだろう」とのんきに過ごしていたのですが、まさかのがん告知……こんなことがあるのですね……告知から数時間が経ちますが、いまだに現実感がありません。
ステージなど詳しいことはまだ何も分かっていません。来週か再来週にCT検査を受けて、その後判明するようです。
今後のことを考えると憂鬱で仕方ありませんが、手術や治療をするしかありません。
検査や手術の様子についてはまたこのブログで書けたら書こうと思います。
ちなみに、マンモトーム生検の細胞を使って追加検査をしたということで、1月8日にその料金を支払いました(5,970円)。
乳がんだった上に追加費用までとられるなんて……踏んだり蹴ったりとは正にこのことです……。
ところで乳がんにはサブタイプというものがあります。私はいきなり告知されて気が動転し、このサブタイプというものをその時に訊きそびれてしまったのですが、乳がんの治療法はこのサブタイプによりかなり違いがあります。
万が一乳がんの告知を受けたら、どのサブタイプかどうかをその場で確認した方がいいかと思います。
詳しくは 乳がん告知~治療方針の話し合い【HER2陽性型でした】
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