うらなか書房のあやしいグッズあり〼

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奇抜な格好をしていたらもう少し知名度が上がっていたのだろうか

time 更新日:  time 公開日:2017/02/28

少し前に「変身写真」というものを体験してきたのだけど、

変身写真体験記【Metalily(メタリリー)感想(東京押上)】
変身写真体験記【Metalily(メタリリー)感想(東京押上)】

こういった写真を撮ってみて改めて思ったことがある。

それは、「イベント時にこのような奇抜な格好をしていたら、うらなか書房の知名度はもう少し上がっていたのだろうか?」ということだ。

もしもアートフリマで奇抜な格好をしていたら

私は「うらなか書房」という名前で時々絵を描いている。

目玉も生える 三日月の夜

そしてその絵を使ったTシャツやグッズを作って、以前はよくアートフリマというものに出展していた。

私の絵は少しばかり過激に見えるかもしれないが、私自身はいたって地味な外見をしている。
アートフリマによく出展していた頃もそうで、重い荷物を運んだり看板を背負って移動したりしていたので、動きやすい服装をしていた。

販売時に着替えたり派手なメイクをしたりすれば、自分が目立つことによりTシャツやグッズがもう少し売れるようになるかもしれない……とは、当時から考えないではなかった。
しかし売り物だけで大荷物なのに、その上着替えやメイク道具を持っていくとなると荷物が増えるし、またメイクの仕方もよく分からないし、何より面倒くさかった。
それと自分が目立つのではなく、作品を見てほしいという気持ちがあった。

当時から自分の絵が中途半端なことは重々承知していた。技術的にものすごく達者な訳ではなく、題材もエロなのかグロなのかどっちつかずである。
ただ当時は、この中途半端さこそが自分の味や個性になり得るのではないかと望んでいた。いや、実は今でもまだ、心のどこかでそう望んでいるのだった。

しかしやはり中途半端なものには需要が少ない。
そこで目立つために自分自身を使うという手段を考えなくはなかった。現在でいうとセルフプロデュースセルフブランディングというものにあたるのだろうか。

着物を着たり顔を白塗りにしたりして奇抜なパフォーマンスでもやっていたら、うらなか書房の知名度はもう少し上がっていたのかもしれない(そうはいっても全国的にではなく、ごく狭いコミュニティ内での話であるだろうが)。

気乗りしないことをやって成果が出なかった時の喪失感

しかし知名度が上がって、それにより売れるといっても難しい話で、私はイラストレーターになりたい訳ではないのでイラストの注文が来てほしいかというとそうでもない。
絵の色つけをデジタルでしているので、原画というものがない。それゆえ画家のように絵自体を売ることもできない。
一時期絵を売ろうとしてアクリル絵具に挑戦したこともあるのだが、自分の絵には合わない気がしたのでやめてしまった。

となるとグッズが売れるのがうらなか書房にとっての「売れる」になりそうなのだけど、どれだけセルフブランディングした所でうらなか書房のグッズが飛ぶように売れる図は想像できない。そんなことになったら世も末だ。

万が一セルフブランディングによりうらなか書房が売れたとしよう。
しかしそうなったらなったで、私のことだから恐らく「こんなおかしな格好やパフォーマンスをせずに、普通の格好で活動していたらどうなっていたんだろう」と後悔したと思う。
どの道を選択しても後悔する、私はそういう人間なのである。
なので、やっぱりやりたくないことは無理にやらなくてよかったのかもしれない。

気乗りしないことをやって成果が出るならまだしも、何の成果も得られない場合もある。そんな時の喪失感といったらそれはもう半端ない。
人生に無駄なことなんてない」とはよくいわれることだけれど、そういう経験をすると「今後は気乗りしないことはやらないようにしよう」と思えるようになるので、そういった意味では確かに無駄ではないのかもしれない。

しかしそういう経験が何度もあるとしんどい。そういったしんどさが積み重なると生きること自体がしんどくなってきて、最終的に、

この男に言ってやったものだろうか。人生の意慾せらるべきものではないゆえんをお前に教えてくれるというちょうどその点に、人生というものの価値があるのだということを?!
ショウペンハウエル『自殺について』

ショウペンハウエルのように、「人生の価値なんていうものは、人生に価値がないということを教えてくれるその点にしかない」というような心境になっていくのかもしれない。


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私は……ちょっとこういう心境になりかけているかもしれない……。それだけ挫折が多い人生だったということなのだろうか……。

やりたくなったらやるけれど今は面倒だからやらない

しかし断っておきたいのは、私は奇抜な格好やメイク、言動で注意を惹いているような人々をどうこういうつもりはないということである。
私は面倒だからやらないだけであって、やりたい人はやったらいいと思う。私もその内気が変わって奇抜な格好や言動を行うようになるかもしれない。

冒頭の変身写真だって、昔だったら特にやりたいと思わなかっただろうが、突然やってみようという気になったので、将来そういう風に気が変わる可能性はある。そうしたらその時はやろうと思う。


外套・肖像画

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ゴーゴリの『肖像画』、若い画家がお金を使って有名になるのだけど、コツコツやっていた友人の画家は年をとってからズルい手を使わずとも評価された……というような話だった(引っ越しの際に紛失してしまい今は手元にない)。
私はこういった物語をファンタジーでなく真実だと信じていたいのかもしれない。

しかし確か有名な女流漫画家さんが、「売れるためなら使えるものはなんでも使え。枕営業なんかいくらでもしたらいい」というようなことを何かでいっていて、やはり名が売れている人というのはこれくらいの覚悟をもって人生に臨んでいるのだなと感心させられた。現実的なのはやはりこの女流漫画家さんの言葉のような気がする。

といっても、やはり私はそういったことはやりたくないのでやらない。私には昔から「何がなんでものぼり詰めてやる」というような気概が欠けている。
つまり端的にいうなら非常に「面倒くさがり屋」なのである。

……人生って面倒くさいですよね。(いろいろな意味で終)